クリナップは高値圏モミ合い展開だが、煮詰まり感強め上放れのタイミング
システムキッチン大手のクリナップ <7955> の株価は、戻り高値圏の900円~960円近辺でモミ合う展開が続いている。消費増税の影響が警戒されているようだが、一方では徐々に下値を切り上げて煮詰まり感を強めている。モミ合い上放れのタイミングのようだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく3月高値1045円を試す展開だろう。低PBRなど指標面の割安感も支援材料だ。
厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を掲げ、システムキッチン「S.S.」「クリンレディ」「ラクエラ」を軸にした商品ラインナップ充実、ブランド力強化、中高級システムキッチンの市場シェア上昇、全国102カ所のショールームへの集客強化と総合競争力強化、会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携強化、リフォーム需要の取り込み、トータルコストの低減、海外事業の戦略的推進などを重点施策としている。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月8日公表)を据え置いて売上高が前期比1.4%減の1270億円、営業利益が同24.5%減の67億円、経常利益が同24.4%減の64億円、純利益が同25.6%減の37億円、そして配当予想は記念配当5円を落として年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。
第1四半期(4月~6月)は前年同期比11.0%増収、同21.2%営業増益、同20.4%経常増益、同26.0%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が25.1%、営業利益が29.4%、経常利益が29.3%、純利益が29.6%と高水準だった。消費増税の反動減や輸入原材料価格の上昇などを考慮して減収減益見通しとしているが、消費増税後の厳しい事業環境下でも、主力のシステムキッチンが好調に推移しているようだ。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向も強く、通期業績見通しに上振れ余地があるだろう。
食住イベントやリフォームフェアの開催によるブランド力向上、ショールーム全面リニューアルによる集客力強化、会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携などの販売強化施策が奏功して、システムキッチンの市場シェアは上昇基調である。原価低減効果なども寄与して中期的に収益拡大基調だろう。
なお8月6日に発表した自己株式処分(ESOP信託の導入に伴い8月26日を期日として日本マスタートラスト信託銀行に対する第三者割当で自己株式30万1100株を処分)については、8月26日に払込手続きが完了した。従業員インセンティブ・プラン「株式付与ESOP信託」の導入に伴う自己株式処分である。グループ従業員に対して自社株式を交付することで、グループ従業員の帰属意識と経営参画意識を醸成し、長期的な企業価値向上を目指すとしている。
株価の動きを見ると、5月の直近安値圏800円近辺から切り返したが、8月以降はやや上値が重くなり、戻り高値圏の900円~960円近辺でモミ合う展開が続いている。消費増税の影響を警戒する動きのようだ。ただし一方では徐々に下値を切り上げてモミ合い煮詰まり感も強めている。
9月24日の終値937円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87円21銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1301円25銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を維持して徐々に下値を切り上げている。煮詰まり感を強めてモミ合い上放れのタイミングのようだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、3月高値1045円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムキッチン大手のクリナップ<7955>(東1)の株価は、戻り高値圏の900円~960円近辺でモミ合う展開が続いている。
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2014-09-25 09:15