アールテック・ウエノ値固め完了して強基調への転換を確認

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)の株価は、1300円近辺で値固めが完了し、足元では1500円近辺まで水準を切り上げている。9月16日には1579円まで上伸する場面があった。強基調への転換を確認した形であり、7月の戻り高値1619円を試す展開だろう。中期成長力を再評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。   新薬開発は網膜色素変性、ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。日本発・世界初の網膜色素変性治療薬を目指す開発コードUF-021(一般名ウノプロストン)については日本で第3相臨床試験を実施し、14年7月にはウノプロストンの網膜色素変性を対象とするオーファンドラッグ指定について厚生労働省に申請した。また14年8月にはウノプロストン点眼液へのトロメタモール配合に関する日本特許が成立した。   日本発・世界初の生物製剤によるドライアイ治療薬を目指す遺伝子組み換え人血清アルブミン(RU-101)点眼液については、米国で第1相および第2相を合わせた臨床試験を開始している。皮膚疾患領域では男性型脱毛症関連(RK-023)が第2相臨床試験を開始し、中期テーマとしてアトピー性皮膚炎治療薬(RTU-1096)などの開発も進めている。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が前期比2.6%増の57億63百万円、営業利益が同0.8%増の14億31百万円、経常利益が同2.9%減の14億34百万円、純利益が同5.5%減の10億03百万円、配当予想が前期と同額の年間25円(期末一括)としている。   売上面で見るとレスキュラ点眼薬は、日本市場が数量減少や薬価改定の影響で減収、北米市場は再上市に係るSAG社からの受注分の出荷が完了しているため今期業績見通しに織り込んでいないとしている。AMITIZAカプセルは、北米市場では競合品の影響を受けるが、日本市場が引き続き好調に推移する見通しだ。利益面では研究開発費の増加などが影響して、営業利益は微増にとどまる見通しとしている。   第1四半期(4月~6月)は前年同期比24.5%減収、同69.7%営業減益、同72.9%経常減益、同67.5%最終減益だったが、北米市場でAMITIZAカプセルの納品の一部が第2四半期(7月~9月)となったことを考慮すれば概ね計画水準としている。通期ベースでは挽回が期待されるだろう。   中期経営目標値としていた16年3月期ROE(自己資本利益率)10%以上を、前期(14年3月期)実績の12.3%で達成した。今期は10.6%に低下する見込みだが、引き続き10%以上を目指すとしている。中期的に収益拡大基調で、一段の高収益化も期待されるだろう。   株価の動きを見ると、7月7日の戻り高値1619円から一旦反落したが、7月~8月の直近安値圏1300円近辺で値固めが完了し、足元では1500円近辺まで水準を切り上げている。9月16日には1579円まで上伸する場面があった。短期調整が一巡して中期成長力を再評価する動きだろう。   9月24日の終値1497円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS52円01銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績のBPS473円61銭で算出)は3.2倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復して上伸した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調への転換を確認した形であり7月の戻り高値1619円を試す展開だろう。出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の株価は、1300円近辺で値固めが完了し、足元では1500円近辺まで水準を切り上げている。
economic
2014-09-25 09:30