インフォコムは調整一巡感、中期成長力を再評価して7月高値目指す

  ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、7月の年初来高値1092円から反落して900円近辺でモミ合う展開だったが、9月10日の直近安値880円から切り返し、9月24日には923円まで上伸して調整一巡感を強めている。中期成長力を再評価して7月の年初来高値を目指す展開だろう。   企業向けITソリューションを提供するITサービス、一般消費者向け各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス(子会社アムタス)を展開している。業容拡大に向けて戦略的M&A・アライアンスを積極活用し、13年9月に医薬品業界のCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事 <9963> と協業した。   グループ会社の統合・再編も進めている。14年3月にはEC事業の運営効率化に向けて、アムタスグループ内で食品EC事業を展開する持分法適用関連会社のドゥマンを連結子会社化し、連結子会社イー・ビー・エスのアパレルEC事業をドゥマンへ譲渡して事業統合した。14年7月には連結子会社(孫会社)である米国SYSCOMの株式譲渡(15年2月予定)を発表した。   中期経営計画では、目標数値として17年3月期売上高550億円、営業利益50億円を掲げている。ITサービスでの医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業、ネットビジネス事業(電子書籍配信サービスやソーシャルゲーム)を重点3事業として、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連、海外展開なども強化する方針だ。   06年開始のスマートフォン・フィーチャーフォン向け電子コミック配信サービス「めちゃコミック」は13年8月から各携帯キャリア公式サービス1位を独占し、13年11月にはマルチデバイス対応の電子書籍配信サービス「ekubostore(エクボストア)」も開始した。アムタスの電子書籍配信サービスは前期(14年3月期)売上高が100億円超に成長し、14年7月度には月間売上高が10億円に達した。また「めちゃコミック」における月間サイト来訪ユニークユーザー数は14年7月実績で500万人を超えているようだ。   9月1日には、米国シリコンバレーで連結子会社としてコーポレートファンド(20億円規模、通称インフォコムファンド)を設立すると発表した。ヘルスケア事業やネットビジネス事業に加えて、IoTやウェアラブル関連領域など、今後の成長が期待される新技術や有力ベンチャーなどの投資先候補探索・発掘を推進する方針だ。   また9月18日には、子会社GRANDITが運営する「GRANDITコンソーシアム」に、NTTコムウェアがプライムパートナーとして参画すると発表した。NTTコムウェアは「GRANDIT」をソリューションラインナップに加えることでERPビジネスへの取り組みを強化する。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは、前回予想(4月24日公表)を据え置いて売上高が前期比9.9%増の430億円、営業利益が同8.8%増の40億円、経常利益が同8.5%増の40億円、純利益が同12.6%増の23億円で、配当予想は同1円増配の年間18円50銭(期末一括)としている。   セグメント別の計画は、ITサービスではヘルスケア事業とGRANDIT事業の拡大で売上高が同4.1%増の270億円、営業利益が同6.3%増の30億円、ネットビジネスでは電子書籍配信サービスを軸とする業容拡大で売上高が同21.1%増の160億円、営業利益が同17.8%増の10億円としている。第1四半期(4月~6月)は、ヘルスケア事業における消費増税後の反動減や前期の事業譲受効果の一巡に加えて、ゲームなど新規事業の収益化遅れが影響して営業赤字だったが、通期ベースでは重点分野の一段の業容拡大で好業績が期待される。   株主優待制度(7月31日に導入を発表)については、毎年9月30日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、連結子会社ドゥマンが運営する食品通信販売サイト「オーガニックサイバーストア」で利用可能なポイント(1ポイントを1円として利用)を保有株数と保有年数に応じて贈呈する。たとえば保有株数1000株以上で保有年数3年以上の場合は6000ポイントを贈呈する。14年9月30日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象として開始する。   株価の動きを見ると、急伸した7月の年初来高値1092円から反落し、第1四半期の営業赤字を嫌気する形で8月以降は900円近辺でモミ合う展開となった。ただし9月10日の直近安値880円から切り返し、9月24日には923円まで上伸して調整一巡感を強めている。中期成長力を再評価する動きだろう。   9月24日の終値922円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS84円13銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円50銭で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS698円41銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支える形だ。調整が一巡して7月の年初来高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコムの株価は、7月の年初来高値1092円から反落して900円近辺でモミ合う展開だったが、9月10日の直近安値880円から切り返し、9月24日には923円まで上伸して調整一巡感を強めている。
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2014-09-25 09:30