ネットワークバリューは急騰の反動で乱高下だが、１３年５月高値目指す

　　ネットワーク関連製品のネットワークバリューコンポネンツ <3394> （東マ）の株価は、８月下旬にモミ合い上放れて１月の年初来高値を突破し、さらに９月中旬に再動意となり、１３年１０月高値３０００円を突破して９月１７日３３８０円まで急伸した。過熱感を強めて足元は２５００円近辺まで一旦反落している。急騰の反動で目先は乱高下しそうだが、今期（１４年１２月期）業績見通し増額の可能性も支援材料として１３年５月高値３７８０円を目指す展開だろう。 　　情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業（ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業）を展開している。クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するＩＴ先進企業へ最適なソリューションとして提供する。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。 　　１３年８月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、１３年１０月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約、１４年１月モバイル用作業報告書自動作成アプリを提供するＧ－Ｓｍａｒｔ社（東京都台東区）と販売代理店契約を締結した。アライアンス戦略では１３年５月に新日鉄住金ソリューションズ <2327> と資本・業務提携している。 　　中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などでプロジェクト単位での受注拡大を目指し、１４年７月には米Ａｒｕｂａ社の無線ＬＡＮシステムをカフェ・カンパニー（東京都渋谷区）の「ＷＩＲＥＤ　ＣＡＦＥ」を中心とする４２店舗に導入・設置した。 　　９月５日には米スレットストップ社と、同社のリアルタイムＩＰおよびドメインレビューテーションサービスに係る国内販売代理店契約を締結した。セキュリティ製品のラインナップ充実に寄与するとしている。 　　今期（１４年１２月期）の連結業績見通しについては前回予想（２月１３日公表）を据え置いて、売上高が前期比７．２％増の２６億７９百万円、営業利益が同５４．１％減の２６百万円、経常利益が同５４．７％減の１６百万円、純利益が６６百万円（前期は１億０２百万円の赤字）としている。 　　営業利益と経常利益は低採算案件の増加、円安に伴う仕入価格上昇、子会社イノコスの売上総利益減少などを考慮して減益見通しだが、純利益は前期計上した貸倒引当繰入額や子会社イノコスの株式評価損一巡などが寄与して黒字化見通しとしている。 　　ただし第２四半期累計（１月～６月）は、電力会社向け大型案件などが寄与して前年同期比３２．７％増収、同５６．１％営業増益、同２．２倍経常増益となり、純利益は黒字化した。純利益は保有有価証券の売却を見送ったため計画を下回ったが、売上高、営業利益、経常利益は計画を上回った。そして通期見通しに対する進捗率は、売上高が５５．９％、営業利益が２１５．４％、経常利益が３２５．０％、純利益が５０．０％で、営業利益と経常利益は大幅に超過達成している。 　　第３四半期（７月～９月）以降の業況が不透明として通期見通しを据え置いているが、９月２日には投資有価証券売却益２８百万円の計上を発表した。通期業績見通しは増額の可能性があるだろう。 　　株価の動き（１４年１月１日付で株式１００分割）を見ると、１２００円～１３００円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、８月下旬に動意付いて８月２７日の１９５０円まで急伸し、１月高値１８５０円を突破した。さらに短期モミ合いを経て９月中旬に再動意の形となり、１３年１０月高値３０００円を一気に突破して９月１７日の３３８０円まで急伸した。足元は目先的な過熱感を強めて２５００円近辺まで一旦反落している。 　　９月２４日の終値２５００円を指標面で見ると、今期予想連結ＰＥＲ（会社予想の連結ＥＰＳ７０円５４銭で算出）は３５倍近辺、前期実績ＰＢＲ（前期実績の連結ＢＰＳ２１９円９１銭で算出）は１１倍近辺である。週足チャートで見ると、１３週移動平均線が２６週移動平均線に続いて５２週移動平均線を上抜いた。目先的には急騰の反動で乱高下の可能性だが、強基調への転換を確認した形であり、今期業績見通し増額の可能性を支援材料として１３年５月高値３７８０円を目指す展開だろう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）