セーラー万年筆は下値を着実に切り上げて強基調に転換の可能性
文具老舗でロボット機器事業も展開するセーラー万年筆 <7992> (東2)の株価は、買いが続かず上値の重い展開だが、足元は37円~41円のレンジで推移して下値を着実に切り上げている。強基調に転換した可能性があり、6月と7月の戻り高値42円を突破すれば上げ足を速めそうだ。
文具事業(万年筆、ボールペン、電子文具、景品払出機、ガラスCD、窓ガラス用断熱塗料など)、およびロボット機器事業(プラスチック射出成形品自動取出装置・自動組立装置など)を展開している。文具事業はブランド力の高い万年筆を主力として、電子文具への事業展開も加速している。ロボット機器事業は1969年に開発に着手した歴史を持ち、09年にはプラスチック射出成形品用自動取出ロボットで世界初の無線ハンディコントローラ搭載RZ-Σシリーズを開発した。
今期(14年12月期)連結業績見通しについては7月31日に修正(売上高を増額、利益を減額)して、売上高が前期比14.0%増の63億円、営業利益が2億円(前期は2億87百万円の赤字)、経常利益が70百万円(同3億11百万円の赤字)、純利益が1億46百万円(同3億59百万円の赤字)としている。増収効果で各利益とも黒字化の見通しだ。特別利益での投資有価証券売却益計上も寄与する。
第2四半期累計(1月~6月)は前年同期比14.5%増収となり、利益はロボット機器事業での販売価格下落や営業外費用での株式交付費計上が影響して計画を下回ったが、増収効果で営業利益は黒字化、経常利益と純利益は赤字幅が縮小した。収益は改善基調だろう。
中期経営計画(14年~16年)では数値目標として売上高経常利益率7%以上、有利子負債16億円以下を掲げている。基本戦略としては、文具事業ではターゲットを絞った特徴ある製品の開発、新規販売チャネルの開拓、海外市場の再構築、新規事業(音声ペン、水処理機器)の推進、ロボット機器事業では射出成型機用取出ロボットの拡販を推進する。
なお前期まで数期連続して当期純損失を計上し、今期第2四半期累計でも純損失を計上しているため、継続企業の前提に疑義の注記が付されている。
株価の動きを見ると、時折動意付く場面もあるが買いが続かず上値の重い展開だ。ただし足元は37円~41円のレンジで推移して下値を着実に切り上げている。9月25日の終値38円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円17銭で算出)は32倍近辺、実績PBR(今期第2四半期累計実績の連結BPS16円88銭で算出)は2.3倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線と75日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じてきた。着実に下値を切り上げて強基調に転換した可能性があり、6月と7月の戻り高値42円を突破すれば上げ足を速めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
文具老舗でロボット機器事業も展開するセーラー万年筆<7992>(東2)の株価は、買いが続かず上値の重い展開だが、足元は37円~41円のレンジで推移して下値を着実に切り上げている。
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2014-09-26 09:15