【為替・株式相場展望】3日の米9月雇用統計が焦点だが大勢として円安・株高の流れ
■出遅れの金融・不動産セクターや東証マザーズ市場への資金流入も注目点
9月29日~10月3日の株式・為替相場では、週末3日の米9月雇用統計が重要イベントとなる。急ピッチの上昇に対する警戒感や米国株の高値圏での不安定な動きに対する警戒感もあり、米9月雇用統計に向けて様子見ムードを強める可能性があるが、9月25日の米国株の大幅下落に対して9月26日の日本市場が底堅い動きを見せたことで安心感が広がっているだけに、大勢としては円安・株高の流れが継続しそうだ。
外国為替市場では早期利上げ観測でドル買いの動きを強め、株式市場ではドル高・円安進行を好感して自動車セクターが牽引する流れだが、出遅れ感の強い金融・不動産セクターや東証マザーズ市場に関心が向かい、資金が流入するかどうかも注目点だ。また2月期決算企業の中間決算発表が本格化し、3月期決算企業の業績修正も活発化するため、好業績銘柄に対する個別物色の動きが注目される。
前週9月22日~26日は、外国為替市場でドル買い・円売りの動きが一服したものの、株式市場では9月22日に日経ジャスダック平均、9月25日に日経平均株価、TOPIX、JPX日経400、東証2部総合指数が取引時間中の年初来高値を更新した。7~9月期実質GDPの回復ペース鈍化や景況感悪化を織り込み、企業業績の上振れを期待する動きのようだ。
さらに9月25日の米国株の大幅下落に対しても、9月26日の日本市場でのリスク回避の動きは限定的だった。外国為替市場でドル・円相場は午後に入ると1ドル=109円00銭近辺とドル高・円安方向に傾いた。株式市場で日経平均株価は終値で前日比144円28銭下落したものの、寄り付きの前日終値比286円19銭安から切り返し、さらに配当落ち分90円強を考慮すると底堅い動きだったとして安心感が広がっている。
そして前週末9月26日の米国市場では、米4~6月期GDP確報値が上方修正されたことを好感して、株式市場ではダウ工業株30種平均株価が前日比167ドル35セント高と急反発し、外国為替市場では1ドル=109円50銭台までドル高・円安が進行する場面があった。CME日経225先物(円建て)は1万6365円だった。
9月26日の米国市場の動きを受けて、週初9月29日の日本市場は堅調なスタートが想定される。海外投資家が9月16日~19日の週まで3週連続の買い越しだったことも安心感に繋がるだろう。週末10月3日に米9月雇用統計という重要イベントを控えているため、急ピッチの上昇に対する警戒感や米国株の高値圏での不安定な動きに対する警戒感もあり、様子見ムードを強める可能性もあるが、その後も大勢として円安・株高の流れが継続しそうだ。
海外要因では、9月26日に米運用会社ピムコが「債券王」の異名を持つビル・グロス氏の退社を発表したことを受けて、ピムコのファンド解約に伴う換金売りが増加するとの思惑で債券売りが広がる可能性が指摘されている。3日の米9月雇用統計に向けて早期利上げ観測を強める可能性もあるだけに、ピムコの換金売りに対する思惑で債権が売られて米金利が上昇すれば、外国為替市場では一段とドル買いの動きを強める。ドル・円相場は1ドル=110円台に入りそうだ。また2日のECB(欧州中央銀行)理事会で量的緩和導入に踏み切るかどうかも注目点だ。
国内要因としては9月29日に臨時国会が召集されるため、景気対策関連、地方創生関連、女性活躍推進関連、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革関連、カジノ関連といった重要政策関連のテーマ株物色が注目される。10月1日の日銀短観(9月調査)も追加緩和期待に繋がる注目材料だ。
ドル高・円安が一段と進行すれば、株式市場では引き続き自動車を中心とした輸出関連セクターへ資金が向かう流れとなる。ただし9月26日の株式市場では全般下落する中で、東証1部市場の業種別指数では不動産セクター、市場別では東証マザーズ市場が逆行高となった。出遅れ感を強めている金融・不動産セクターや、主要株価指数の中で唯一年初来高値を更新していない東証マザーズ市場へ資金が向かい、循環物色の流れとなるかも注目点だ。
さらに2月期決算企業の中間(3月~8月)決算発表が本格化し、9月末を通過することで3月期決算企業の業績修正の動きも広がる。企業業績の上振れ期待が株式市場を支えているだけに、好業績銘柄に対する個別物色が全体に波及するかも注目される。
その他の注目スケジュールとしては、9月29日のユーロ圏9月景況感・業況感指数、米8月個人所得・消費支出、米8月中古住宅販売仮契約指数、30日の日本8月完全失業率、日本8月有効求人倍率、日本8月家計調査、日本8月鉱工業生産速報、日本8月商業販売統計、日本8月毎月勤労統計、日本8月住宅着工戸数、中国9月HSBC製造業PMI改定値、ユーロ圏9月消費者物価指数、米7月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米9月シカゴ地区購買部協会景気指数、米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、10月1日の中国9月製造業PMI、米8月建設支出、米9月ADP全米雇用報告、米9月ISM製造業景気指数、2日の日本9月マネタリーベース、米8月製造業新規受注、3日の中国9月非製造業PMI、米8月貿易収支、米9月ISM非製造業景気指数などがあるだろう。
その後は10月6日~7日の日銀金融政策決定会合、7日の豪中銀理事会、インドネシア中銀金融政策決定会合、8日~9日の英中銀金融政策委員会、9日の米FOMC(連邦公開市場委員会)9月16日~17日開催分議事要旨公表、10日のG20財務省・中央銀行総裁会議、IMF・世銀年次総会、22日の日本9月貿易統計、28日~29日の米FOMC、30日の米7~9月期GDP速報値、31日の日銀金融政策決定会合・10月展望リポート、11月4日の米中間選挙などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
9月29日~10月3日の株式・為替相場では、週末3日の米9月雇用統計が重要イベントとなる。急ピッチの上昇に対する警戒感や米国株の高値圏での不安定な動きに対する警戒感もあり・・・。
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2014-09-28 18:30