上海自由貿易地域に投資家から失望の声=英華字メディア

 英メディア・フィナンシャルタイムズの中国語版は28日、設立1周年を迎える上海自由貿易区について、投資家から失望の声が挙がっていると報じた。  記事は、26日に上海市金融サービス弁公室が発表したデータで、同区域内におけるクロスボーダー人民元資金の流動総額が1560億元(約2兆7800億円)と、市内全体の15%に過ぎないことが明らかになり「上海自由貿易区は国際金融センターとは程遠い」と評した。  そのうえで、昨年12月に中国銀行が自由貿易区での口座開設に向けた制度を構築し、海外口座間の振替の利便性を図ろうとしたことを紹介。しかし、実際の開放プロセスは「とても慎重であり続けた」とした。そして「現在自由貿易区内から区外へと資金移転することが許されておらず、これにより資金浸透能力が限定的になっている」という中国工商銀行自由貿易区支店長のコメントを紹介した。  記事は、一部のアナリストが「より広範な資本勘定開放の前途に対して、依然として疑問を持っている」とし、政府が特区を設置した目的は「コントロールを止めるためではなく、コントロールを強化するため」との見方が出ていることを伝えた。  また、Jキャピタル・リサーチの創始者、アン・スティーブンソン・ヤン氏が先日、「政府は明確なルールを発表していない。すべてのシステムが、いわゆる『石を探りながら川を渡る』状態にある。これは、一部の人が別の一部の人よりさらに大きな自由を持っていることを意味する。すべてが監督管理機関の指導のもとに行われ、具体的な案件や各企業の状況に基づき、どう動くかを決定しているのだ」とコメントしたことを併せて紹介した。  同氏はさらに「もし総じて資本勘定を開放し、人民元を国際通貨とするつもりがあるなら、このような関門を設置すべきではなく、明確かつ透明なルールを持たせなければならない」と論じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
英メディア・フィナンシャルタイムズの中国語版は28日、設立1周年を迎える上海自由貿易区について、投資家から失望の声が挙がっていると報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-09-28 18:30