日本エンタープライズは急騰の反動調整局面だが過熱感解消して反発のタイミング

  コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ <4829> の株価は、アプリ「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して8月15日終値236円から8月26日高値858円まで急騰した。その後は9月26日の466円まで調整している。急騰の反動調整局面だ。ただし今期(15年5月期)の営業増益見通しも支援材料であり、過熱感が解消して反発のタイミングだろう。なお9月30日に第1四半期(6月~8月)の業績発表を予定している。   コンテンツ配信などのコンテンツサービス事業と、店頭アフィリエイト(広告販売)や企業向けソリューション(システム受託開発)などのソリューション事業を展開し、中国ではチャイナテレコムの携帯電話販売店運営と電子コミック配信サービスを手掛けている。   配信コンテンツを自社制作して「権利を自社保有する」ビジネスモデルが基本戦略で、13年3月に音声通信関連ソフトウェア開発のandOneを子会社化し、14年4月にネイティブアプリを主としたモバイルコンテンツ事業を積極推進するため子会社HighLabを設立した。   14年6月には、インドネシア大手移動体通信キャリアのXL Axiata社が運営するアプリストア内のアプリ取り放題サービス向けに、スマートフォンアプリの提供を開始した。ローカライズした自社アプリを世界の各種プラットフォームに配信して自社コンテンツ資産の2次利用を推進する方針だ。   14年8月には、千葉県が少子化対策強化のため実施する官民連携サービスプラットフォーム「Chiba Woman Diary」形成事業(結婚から妊娠・出産・子育てまで切れ目なく支援するサービス)を受託し、9月5日に実証実験を開始した。   また14年8月、スマートフォンを活用して企業の内線電話網を構築するアプリケーション「AplosOne ソフトフォン」を開発した。従業員のデスク上のビジネスフォン(固定電話)が不要となり、スマートフォンを内線電話として使用できるアプリケーションだ。   さらに14年8月、子会社HighLabがゲームアプリ「ひっぱれ!ネコPingプラネット」の事前登録を開始し、スマホ向けゲームアプリ市場に本格参入した。   14年9月には、HighLabおよびandOneの財務体質強化を目的として各々の増資を引き受けた。今後の展開としてHighLabはネイティブゲーム開発を、andOneは「AplosOne ソフトフォン」の技術支援を強化する。   今期(15年5月期)の連結業績見通し(7月9日公表)は、売上高が前期比15.6%増の52億10百万円、営業利益が同23.7%増の4億15百万円、経常利益が同26.4%増の4億30百万円、純利益が同19.9%減の3億50百万円としている。第1四半期(6月~8月)に特別利益として計上予定の投資有価証券売却益3億31百万円も寄与する。配当予想は前期と同額だが普通配当で年間3円(期末一括)としている。   コンテンツサービス事業では、高収益のキャリア定額制サービス向けコンテンツが交通情報、ゲーム、ライフスタイルを中心に好調に推移する。子会社HighLabでのネイティブゲーム開発への取り組み強化や、自社コンテンツ資産の2次利用も順次寄与する見込みだ。   ソリューション事業では企業向け受託開発が順調であり、店頭アフィリエイト(広告販売)は前期第2四半期(9月~11月)をボトムとして回復傾向を強めている。中国・上海の携帯電話販売については、キャリアの販売施策変更に影響されない収益構造の構築を目指し、大口法人への外販営業強化や効率的な人材配置などの施策を推進する。収益改善が期待されるだろう。   株価の動き(14年2月28日付で東証2部から東証1部へ指定替え)を見ると、8月18日発表のアプリ「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して動意付き、8月15日終値236円から8月26日高値858円まで急騰した。その後は利益確定売りで反落し、9月26日の466円まで調整している。急騰の反動調整局面のようだ。   9月26日の終値485円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円28銭で算出)は52倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は0.6%近辺、前期実績PBR(前期実績連結BPS111円20銭で算出)は4.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで急騰の反動調整局面だが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。目先的な過熱感が解消して反発のタイミングだろう。今期の営業増益見通しも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
コンテンツ制作・配信の日本エンタープライズ<4829>(東1)の株価は、アプリ「AplosOne ソフトフォン」開発を材料視して8月15日終値236円から8月26日高値858円まで急騰した。
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2014-09-29 09:15