協立情報通信は、7月の戻り高値を突破すれば上げ足速める可能性
ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信 <3670> (JQS)の株価は、7月戻り高値後に上げ一服の形となったが概ね1800円~2000円近辺で堅調に推移している。今期(15年2月期)利益増額の可能性を評価する流れに変化なく、7月の戻り高値2000円、1月の年初来高値2080円を突破すれば上げ足を速めそうだ。なお10月10日に第2四半期累計(3月~8月)の業績発表を予定している。
1965年の設立で、2013年2月JASDAQ市場に新規上場した。法人向けのソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開している。
企業のICT(情報通信技術)化の実現に向けて、NEC <6701> 、オービックビジネスコンサルタント <4733> 、NTTドコモ <9437> 、サイボウズ <4776> 、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システム構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供している。
ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECの構内交換機(PBX)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向け中心に「情報インフラ」「情報コンテンツ」「情報活用支援(プラクティカルユース)」の3分野を統合した「経営情報ソリューション」をワンストップサービスで提供していることが強みだ。常設デモスペースである体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。前期(14年2月期)の「情報創造コミュニティー」への来場社数は1233社となり、前々期比250社増加している。
モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア <3738> の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。
今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比5.0%増の56億02百万円、営業利益が同15.7%増の2億48百万円、経常利益が同15.3%増の2億48百万円、純利益が同7.0%増の1億38百万円、そして配当予想が前期と同額の年間50円(期末一括)としている。
セグメント別の計画は、ソリューション事業の売上高が同4.9%増の18億38百万円、営業利益が同4.2%増の2億20百万円、モバイル事業の売上高が同5.0%増の37億64百万円、営業利益が28百万円(前期は3百万円)としている。
ソリューション事業では、米マイクロソフトの「ウインドウズXP」サポート終了に伴うパソコン入替案件などが好調であり、第2四半期(6月~8月)に売上計上予定の大型案件も寄与する。また「情報創造コミュニティー」への来場社数が増加基調であり、パートナー企業との協業で新規顧客開拓も強化する。15年夏予定の「Windows Server 2003」サポート終了に伴うサーバー移行案件の獲得に向けた活動も強化する。
なお9月22日に、10月21日開催のオービックビジネスコンサルタント主催「奉行フォーラム2014in東京」にブース出展すると発表した。消費税率10%改正、軽減税率、マイナンバーという大きな制度改正への備えやクラウド環境への対応をテーマに開催され、当社は奉行シリーズと連携した会計情報および経営情報のソリューション活用を紹介するとしている。
モバイル事業は第1四半期(3月~5月)の営業利益が通期見通しを超過達成した。消費増税前の駆け込み需要、NTTドコモの新料金プランが追い風となり、4月以降はNTTドコモの営業政策変更によって法人向けフィーチャーフォンも好調に推移し、利益率の高い副商材への取り組み強化策も奏功したようだ。第2四半期(6月~8月)以降は、他キャリアの国内音声定額プラン導入や格安スマホ登場などで競争激化が予想され、NTTドコモの営業政策の影響も受けるとして、通期ベースではやや慎重な見通しとしている。
第1四半期(3月~5月)はソリューション事業、モバイル事業とも好調に推移して前年同期比17.4%増収、同45.4%営業増益、同42.2%経常増益、同64.2%最終増益となった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が27.6%、営業利益が41.4%、経常利益が41.1%、純利益が46.5%に達している。通期の会社見通しを据え置いているが、利益増額の可能性が高いだろう。
なお9月19日に、ドコモショップ八丁堀店および情報創造コミュニティー他を15年1月中旬に移転すると発表した。現在入居しているビルが耐震強度の強化を目的に建て替えられるためであり、今期業績見通しへの影響は軽微としている。
企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティー」をキーワードとして高水準に推移することが予想され、法人向けソリューション提案力向上によって付加価値(サービス)提供へのシフトを加速し、ストック型収益モデルも強化して利益率を一段と向上させる方針だ。中期経営計画では目標値として、17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調であり、一段の高収益化も期待されるだろう。
なお株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈する。
株価の動きを見ると、5月安値1513円から7月14日戻り高値2000円まで切り返した。その後は上げ一服の形だが、概ね1800円~2000円近辺で堅調に推移している。今期の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価する流れに変化はないだろう。
9月26日の終値1879円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS115円72銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS751円39銭で算出)は2.5倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。5月安値で底打ちして強基調への転換を確認した形であり、今期の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して水準を切り上げる展開だろう。7月の戻り高値2000円、1月の年初来高値2080円を突破すれば上げ足を速めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信<3670>(JQS)の株価は、7月戻り高値後に上げ一服の形となったが概ね1800円~2000円近辺で堅調に推移している。
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2014-09-29 09:15