ユーグレナは、1300円台固めてモミ合い煮詰まり感、動意のタイミング

  ユーグレナ <2931> (東マ)の株価は、1300円台を固めてモミ合い煮詰まり感を強めている。9月26日には一時1422円まで上伸する場面があった。次世代バイオ燃料に対する注目度は高く、モミ合い煮詰まり感を強めて動意のタイミングだろう。9月30日から貸借銘柄となるため、取り組みに厚さが増すことも刺激材料となりそうだ。   59種類の豊富な栄養素を有する微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)の屋外大量培養技術をコア技術として、ユーグレナを活用した機能性食品・化粧品の販売を行うとともに、バイオ燃料、バイオフィルム、水質浄化など関連分野への研究開発を進めている。   13年3月にユーグレナ粉末受託生産と微細藻類クロレラ生産の八重山殖産を子会社化した。13年11月にはバイオベンチャーの植物ハイテック研究所を子会社化して形質転換技術による「スーパーユーグレナ」の開発を強化している。また14年8月には、バングラデシュのGYM社の株式を雪国まいたけ <1378> から取得(14年10月1日付)する株式譲渡契約を締結した。GYM社は、貧困に苦しむ農村地区の所得向上や生活改善を目指したソーシャルビジネスとして、もやしの原料となる緑豆栽培に取り組み、国内外で高い評価を集めている。   化石燃料を使用しない新燃料として微細藻類由来の次世代バイオ燃料の開発が注目されている。次世代バイオジェット燃料についてはJX日鉱日石エネルギー(JXホールディングス <5020> )および日立製作所 <6501> と共同開発を推進し、14年6月にはいすゞ自動車 <7202> と共同で次世代バイオディーゼル燃料の実用化を目指す「DeuSEL(デューゼル)プロジェクト」をスタートさせた。いずれも18年の低コスト生産技術確立と20年の実用化を目指している。   14年7月には当社、東京大学、米ボーイング社、全日空(ANAホールディングス <9202> )、日本航空 <9201> などが加盟する「次世代航空機燃料イニシアティブ(INAF)」(14年5月設立)が、次世代航空機燃料の導入・サプライチェーン確立に向けたロードマップ策定作業を開始した。藻類が産出する油脂など原料ごとに異なる課題や共通する課題を抽出し、具体的事業に繋げるための枠組みをロードマップとして15年4月までに策定し、東京夏季五輪開催年の20年における次世代航空機燃料の導入を目指す方針だ。   今期(14年9月期)の連結業績見通しは前回予想(11月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比48.8%増の31億13百万円、営業利益が同横ばいの1億76百万円、経常利益が同9.0%減の2億40百万円、純利益が同70.1%減の1億44百万円としている。   第3四半期累計(10月~6月)は前年同期比56.4%増収、14.0%営業増益、18.2%経常減益、83.2%最終減益だった。通期見通しに対する進捗率はやや低水準だったが、概ね計画通りとして通期見通しを据え置いている。   今期は大幅増収に伴う売上総利益の増加分の大半を、中期成長に向けた先行投資として広告宣伝費やバイオ燃料関連の研究開発費に充当する方針のため、営業利益は横ばい見込みだ。営業外収益では助成金収入が減少し、営業外費用では株式交付費が増加する。特別損益では負ののれん発生益が一巡する。しかし、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」直販でのユーグレナ配合食品の購入者数および売上高は増加基調である。大手小売りチェーンや大手食品メーカーとのコラボレーション拡大も寄与して大幅増収見込みだ。   ヘルスケア事業では、9月10日に石垣産ユーグレナを使用してファミリーマート <8028> と共同開発したデザートなど8商品を全国ファミリーマート1万1000店舗で、ユニーグループ・ホールディングス <8270> と共同開発したパンなど5商品を全国ユニーグループ6505店舗(サークルK、サンクス含む)で発売すると発表した。9月17日にはソシエ・ワールドと共同開発したプレミアムスキンケアシリーズ「euga(ユーガ)」を全国62店舗のエスティックサロン・ソシエで発売すると発表した。   今期は中期成長に向けた先行投資の時期だが、来期(15年9月期)は大手小売りチェーンや大手食品メーカーとのコラボレーション拡大も本格寄与して好業績が期待され、バイオ燃料実用化に向けた動きも注目される。   重量単価の高い食品分野から参入し、安定的なキャッシュフローを獲得しながらバイオ燃料などの開発を進める「バイオマスの5F」という基本戦略は順調に進展している。そして次世代バイオジェット燃料と次世代バイオディーゼル燃料が、中長期的にエネルギー・環境関連の収益2本柱となる可能性が高まっている。   株価の動き(9月30日から貸借銘柄の予定)を見ると、6月の年初来高値1750円から反落し、8月以降は概ね1300円~1400円近辺でモミ合う展開となった。ただし1300円台を固めてモミ合い煮詰まり感を強めている。9月26日には一時1422円まで上伸する場面があった。日柄整理が完了して動意の構えのようだ。   9月26日の終値は1357円だった。週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって1300円台を固めた。さらに26週移動平均線が52週移動平均線を上抜くゴールデンクロスも接近している。次世代バイオ燃料に対する注目度は高く、モミ合い煮詰まり感を強めて動意のタイミングだろう。9月30日から貸借銘柄となるため取り組みに厚さが増すことも刺激材料となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ユーグレナ<2931>(東マ)の株価は、1300円台を固めてモミ合い煮詰まり感を強めている。9月26日には一時1422円まで上伸する場面があった。
economic
2014-09-29 09:15