アスカネットは再動意で中段保ち合い上放れ

  写真加工関連のアスカネット <2438> (東マ)の株価は、8月高値後に上げ一服となったが、9月5日の「CEATEC JAPAN 2014」への出展発表をきっかけに再動意の形となった。9月11日に1万2930円を付けて8月5日の1万2190円を突破し、9月25日には1万7680円まで上伸した。目先的には乱高下の展開となりそうだが、中段保ち合いから上放れた形であり、空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレート量産化を期待する流れに変化はなく、上値を追う場面があるだろう。   葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくく安定収益源となっていることが特徴だ。14年12月にはインターネットを活用したBtoC新サービスのリリースを予定している。   空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートについては、現状は試作品を販売してプレ量産も可能だが、低価格化と大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立を最優先課題として、独自技術を強固にするため特許申請も進めている。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。   なお9月5日に、10月7日~11日に幕張メッセ(千葉市)で開催される「CEATEC JAPAN 2014」に出展すると発表した。AIプレートのサンプル導入先が100社を超え、3回目の出展となる今回の「CEATEC JAPAN」では、当社ブース内に合計6つの企業・大学が専用展示ブースを設けて、空中ディスプレイのコラボレーション試作品を出展する。   9月5日に発表した今期(15年4月期)第1四半期(5月~7月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比4.9%増の11億70百万円、営業利益が同3.5%減の1億55百万円、経常利益が同3.2%減の1億57百万円、純利益が同横ばいの99百万円だった。   セグメント別の売上高は、メモリアルデザインサービス事業が同2.5%増の5億21百万円、パーソナルパブリッシングサービス事業が同5.1%増の6億34百万円と順調に推移した。エアリアルイメージング事業は試作品販売で同4.0倍の14百万円だった。   利益面では、メモリアルデザインサービス事業でハード機器の買い換え需要が想定ほど進まなかったことに加えて、展示会向けの広告宣伝費やインターネットを活用したBtoC新サービスに関する研究開発費など、先行費用が増加したため営業減益だったが、概ね計画水準で順調に推移しているようだ。   通期の業績(非連結)見通しは前回予想(6月10日公表)を据え置いて売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円、配当予想が前期と同額の年間32円(期末一括)としている。   セグメント別売上高の計画はメモリアルデザインサービス事業が同3.1%増の23億03百万円、パーソナルパブリッシングサービス事業が同4.2%増の26億09百万円、エアリアルイメージング事業が量産品販売を見込まず試作品販売で62百万円、そして新規事業のBtoC新サービス(純額手数料収入)が10百万円としている。   インターネットを活用したBtoC新サービスに関する広告宣伝費やシステム償却など、先行費用が発生するため減益見込みとしているが、売上面では各事業とも順調に推移する。12月リリース予定のBtoC新サービスも注目され、13年10月稼動したびわこオペレーションセンターの本格寄与や生産性向上の効果なども寄与する。通期業績に上振れ余地があるだろう。   なお、8月に広島地方を襲った局地的豪雨で本社1Fが浸水し、資材・仕掛品の廃棄やフロアの清掃など一定の損失が発生したが、業績への影響は軽微の見込みとしている。   株価の動きを見ると、8月高値後に上げ一服となったが、9月5日の「CEATEC JAPAN 2014」への出展発表をきっかけに再動意の形となった。9月11日には1万2930円を付けて8月5日の1万2190円を突破し、9月25日には1万7680円まで上値を伸ばした。   9月26日の終値1万6120円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS103円66銭で算出)は156倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は0.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS879円50銭で算出)は18倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が拡大して過熱感を強めているため、目先的には乱高下の展開となりそうだが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって中段保ち合いから上放れた形だ。AIプレート量産化を期待する流れに変化はなく、上値を追う場面があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、8月高値後に上げ一服となったが、9月5日の「CEATEC JAPAN 2014」への出展発表をきっかけに再動意の形となった。
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2014-09-29 09:15