【為替本日の注目点】いよいよ今週は110円をテストか

NY市場  ドル円は株価や長期金利の上昇に終始109円台で推移。GDPが上方修正されたことで、一時109円54銭までドル高が進み、直近のドル高値をわずかながら更新。ユーロドルも続落し、一時1.2677までユーロ安が進み、こちらも直近のユーロ安値を更新。  前日大幅下落を演じた株式市場は急反発。GDPが上方修正されたことで米経済の成長が確認された形に。ダウは167ドル上昇し、その他主要株価指数も大幅に値を伸ばす。  債券相場は反落。債券ファンド最大手ピムコの運用責任者が退社したことで、債券売りが優勢に。長期金利は2.52%台に上昇。金は反落し1215ドルに。原油は続伸し93ドル台に。  4-6月期GDP(確定値)  → +4.6%   9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) →84.6    ドル/円 109.04~ 109.54  ユーロ/ドル 1.2677 ~ 1.2740  ユーロ/円 138.51 ~ 139.00  NYダウ +167.35 → 17,113.15ドル  GOLD -6.50   → 1,215.40ドル  WTI +1.01     → 93.54ドル  米10年国債 +0.016 → 2.520%  本日の注目イベント  独   独9月消費者物価指数(速報値)   欧   ユーロ圏9月景況感指数   米   8月個人所得   米   8月個人支出   米   8月PCEコアデフレーター   米   8月中古住宅販売成約指数   米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演  前日260ドルを超える大幅安を見せたNYダウは急反発し、167ドル高で取引を終えました。GDP確定値が「+4.6%」と上方修正され、ピムコの運用責任者であるビル・グロス氏が退社したことを巡って、債券相場が軟調に推移したことなどから、ドル円は一時109円54銭までドル高が進行しました。  これで、僅かですが9月19日に記録した109円46銭を上回り、直近のドル最高値を更新したことになります。先週末のNY市場では直近高値を更新しただけではなく、ドル円は終始109円台で推移しており、一度も109円台を割り込む場面はありません。  このところの「調整」も、結局108円25銭が底値でした。どうやら、108円台固めを終えて、いよいよ今週は110円をテストということになりそうです。  ユーロドルも先週末は1.2677までユーロ安が進み、ドル全面高の様相がますます高まっています。また、円は対ドルでは大幅安ですが、ユーロや豪ドルなどに対しては堅調に推移しており、ドル円が買われているものの、円全面安の展開には至っていません。ユーロ圏での追加緩和観測が根強く、政策当局も自国通貨安を歓迎していることも影響しているものと思われます。  ECBのドラギ総裁は25日の講演で「低インフレが長期化するリスクにさらに対処する上で必要であればECBは追加的な非伝統的手段を用いたり、介入の構成や規模を変更する用意がある」と述べています。早ければ今週木曜日のECB理事会で政策変更が見られるかもしれません。  本日も先週末のNY株の反発を好感し、日本株の上昇が予想されます。それに伴ってドル高がさらに進むことも予想され、上述のように110円に向かって上昇することも考えられます。NY市場でのドル高水準を抜けば、その可能性は十分あると思います。  そして、110円までドル高が進んだ後、ひとまず「達成感」が出て反落に転じるのか、あるいはこれまでと同じように、もみ合いからさらに上値を試す展開になるのかを見極めたいと思います。  まもなく9月も終わります。経済雑誌ではそろそろ12月号の記事が締め切られます。毎年のように、「年末のドル円相場は?」といった特集記事も用意され、今回は「112円」程度が中心になりそうです。そして2015年の相場も「120円」などという数字もちらほら見られます。基本はドル高がさらに進むという見立てで問題なかろうかと思いますが、今後ドル高のストーリーにリスクはないのかどうかも、今後2カ月程度をかけて改めて検証していく必要があります。  本日の予想レンジは109円~110円程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は株価や長期金利の上昇に終始109円台で推移。GDPが上方修正されたことで、一時109円54銭までドル高が進み、直近のドル高値をわずかながら更新。ユーロドルも続落し、一時1.2677までユーロ安が進み、こちらも直近のユーロ安値を更新。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-09-29 10:00