ビールはぬるめの燗がいい?・・・ギョーテン中国式健康管理法と来日中国人ビジネスマンのおもてなし裏ワザ

 全国2000万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様、中国語講座「チンプンカンプン」のドラゴンならこと楢崎です。さあ、今日も元気にあかるく「となりにやってきた中国人観光客問題」のお悩みを探っていきましょう。 ■なぜ中国では「生ぬるいビール」が出てくるの? 【相談】  業務出張で中国「山東省内陸部」に赴きました。PM2.5とか反日とか、覚悟の出発でしたが、着任してみれば空は青いし、食べ物おいしい。中国側の仕事は協力的で要領いい。美女もたくさんサービスしてくれたし文句なしでした。  ただ1点。ビールが生ぬるい!  中国側のみなさんは当たり前のような顔しておいしそうに飲んでいたけれど、当方、冷えたビールの気持ちよさが楽しみで仕事してきたみたいなオトコですので、これだけはなんか納得いきませんでした。  いったいどういうわけなんでしょう? (それでもアイラブちんたおビール男 42歳。会社員)  まずはご出張お疲れ様でした。そうでしたか。中国のビールはアルコール濃度低め(3%台)ですけれどケッコ旨い、という方は多いですよ。  それで、本件については我輩も多数経験があります。お店に行ってビールを頼む。すると、外国人と見て取ったのか従業員は「常温ですか? 冷えたものですか?」と聞いてくれます。  そこですかさず「冷えタン→大阪弁ですけど。漢語ではびんだ→冰的」と答えると冷たいものが出てきます。つまりビールについては2種類のチョイスがある、ということです。  このコラムでは問題を「なぜ、中国の友人は(日本人にとって、さらに、おそらく世界中の常識であるところの)冷たいビールを飲まないの?」に絞って考えていきましょう。この問題に関する「中国の友人たち」の答えは極めてシンプル。  「そんなの飲んだ日にゃ、ハラが冷えるやろ!」なのです。  すなわち中国人の健康観が根底に横たわっていた、という次第。もちろんいまどきの中国、どこに行っても冷蔵庫もあるしアイスクリームだって年中売ってます。しかし「体を冷やさない」ため「冷たいモノは避ける」という姿勢にはまだまだ妥協が見出せません。 ■冬場はどうするの?  あくまでビールの話でいけば「いったい冬場はどうすんの?」という話題に行き着くことになります。「冬場はビール飲まないの?」  いいえ。聞くところによれば酷寒零下のハルビンでは冬場のビール消費量ってハンパじゃない、とのこと。山東省あたりでも日本の緯度で言えば宮城あたりに相当するため冬は結構寒さが堪えます。  ドラゴンならもチンタオのコンドミニアムで冬を越した経験がありますけど、通風孔閉め忘れて外泊した翌日。なんとゴキブ○が大量に凍死して? いたこともありました。  そんな冬場に「常温ビール」って、どうよ?  答えは画像。ビールのお燗でした。  中国の食材は危ないとか毎日みたいに聞かされている日本人ですけれど中国の友人たちの健康意識は「意外に高く」て驚きです。  いわく、毎日ナマコを一匹づつ食べるんだ、とか。人間ドッグに半年に1回行っている(しかも中国本土からシンガポールにまで)なんてまったくフツーなのです。話をきけば驚くことになります。「ぬるいビール」には「激辛あひるのアタマ」がよく似合う! ■夏でもアツアツのお湯を出すのが最高のおもてなし  さて話題をわが国にひきもどそう。こんな中国の友人たちは、けして「おひや」とよばれるわが国レストランのサービスを喜ばない。  あなたがラーメン店とか牛丼屋で中国の観光客と思しき人たちを見かけたとしよう。店側では当たり前のように彼らの前に「おひや」をおくだろう。しかし中国人観光客は、きっと「ええ! 困ったなあ」と思っているはずだ。  さて、あなたはどうする?  「店員さん、この水、熱いお茶に替えたって!」と一声かけて御覧なさい。中国人観光客たちはあなたを「日本人て、なんて気の利く人たちなんだろう!」と尊敬と感謝の目であなたを見ること間違いなし。これこそ究極の「おもてなし」なのだ。(執筆者:楢崎 宣夫 提供:中国ビジネスヘッドライン)
さあ、今日も元気にあかるく「となりにやってきた中国人観光客問題」のお悩みを紐解いていきましょう。
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2014-09-29 14:15