ジャパンフーズは売り一巡して調整のほぼ最終局面、反発のタイミング
飲料受託生産大手ジャパンフーズ <2599> の株価は、1150円まで調整して5月安値1145円に接近したが、今期(15年3月期)業績見通しの減額修正の売りが一巡し、調整のほぼ最終局面のようだ。下期(10月~3月)の収益改善を評価して反発のタイミングだろう。
伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。
主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> 、サントリー食品インターナショナル <2587> などの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。
14年4月には中期経営計画「JUMP2015」のレビューと見直しを発表している。成長に向けた基本戦略をコアビジネス(国内飲料受託製造事業)の収益拡大、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品、その他)の着実な推進、成長戦略を支える経営基盤の強化として、定量計画(イメージ)には15年度連結ベースの売上高390億円、営業利益15億50百万円、経常利益15億円、純利益10億円、ROE11.4%を掲げている。
新規ビジネス分野では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。
9月9日には、千葉県と共同開発したレモンウォーター「房総れもん」を、数量限定(280mlPETボトル、800ケース)および千葉県限定で発売すると発表した。千葉県鴨川市産レモンを使用しておいしい飲料を作れないかとの千葉県からの依頼に基づき、試作を重ねて誕生した。
中期経営計画に基づく積極投資も推進している。12年7月に本社工場で世界最新鋭の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン(Eライン)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルライン(Tライン)も設備更新で炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン化した。
9月11日に今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)および通期業績(非連結)見通しの減額修正を発表した。第1四半期(4月~6月)は消費増税に伴う駆け込み需要の反動影響、第2四半期(7月~9月)は全国的な天候不順や消費減退の長期化の影響を受けて受注数量が減少し、第2四半期累計、通期とも減収減益の見通しとなった。
修正後の第2四半期累計(非連結)見通しは、売上高が前回予想(4月24日公表)から50億円減額して前年同期比22.4%減の159億円、営業利益が9億40百万円減額して同46.3%減の8億40百万円、経常利益が9億40百万円減額して同45.2%減の8億50百万円、純利益が5億70百万円減額して同46.6%減の5億円とした。
通期の業績(非連結)見通しは、売上高が前回予想(4月24日公表)から57億円減額して前期比11.4%減の284億円、営業利益が6億20百万円減額して同30.3%減の6億50百万円、経常利益が6億20百万円減額して同28.0%減の6億80百万円、そして純利益が3億70百万円減額して同21.3%減の3億80百万円とした。
ただし下期(10月~3月)の利益計画は増額修正の形だ。飲料業界の在庫調整一巡後の市況回復、新規商品の積極的な受注活動、製造コストの削減などにより、当初下期計画からの嵩上げを図っていくとしている。飲料業界は閑散期の下期が営業赤字となる収益構造だが、下期の営業利益については当初計画の5億10百万円の赤字から、今回計画の1億90百万円の赤字へと赤字幅を圧縮する。
なお配当予想については前回予想(4月24日公表)を据え置いて、前期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。
株価の動きを見ると、5月安値1145円から6月~7月の1220円近辺まで一旦は反発したが、その後は上値が重くなり、9月11日の今期業績見通し減額修正で1150円まで調整した。ただしその後は下げ渋る動きだ。
9月26日の終値1152円を指標面で見ると、今期予想PER(修正後の会社予想のEPS78円79銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1485円56銭で算出)は0.8倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となって上値を切り下げたが、5月安値1145円に接近して調整のほぼ最終局面のようだ。下期の収益改善を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手ジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は、1150円まで調整して5月安値1145円に接近したが、今期(15年3月期)業績見通しの減額修正の売りが一巡し、調整のほぼ最終局面のようだ。
economic
2014-09-29 15:45