寿スピリッツは切り返す、中期成長力を評価する流れに変化なし
菓子製造販売の寿スピリッツ <2222> (東2)の株価は一気に水準を切り上げた後に一旦は反動局面となったが、早くも切り返している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。
「ラングドシャ」ブランドなどを展開する山陰地区の寿製菓、「ルタオ」ブランドなどを展開する北海道のケイシイシイ、首都圏で洋菓子を多ブランド展開するシュクレイ、「赤い風船」ブランドなどを展開する九州の九十九島グループなどを傘下に擁し、地域限定ブランド菓子を製造・販売している。
企業ビジョンとして「全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドの総合プロデューサー」を掲げ、中期事業戦略で新ブランド・新商品・新店舗創り、新ビジネス開発、海外展開を推進している。駅・空港・高速道路など交通機関チャネルの出店・販売比率が高いことも特徴であり、訪日外国人など観光客の増加も追い風となる。
新規分野としては、ジャパルシーが健康食品「栃(とち)」と「藍(あい)」を販売し、ジュテックスは通販基幹業務システムサービスを提供する。海外展開では13年7月、台湾台北市に海外初出店となるカフェ店舗「KONAYUKI」を立ち上げた。13年11月には「とち餅」や健康茶「栃の実茶」の原料として使用している「栃の実」に含まれるポリフェノールを「ヘリコバクター・ピロリ接着抑制剤」として特許を取得した。事業領域拡大で中期成長に対する期待感も高まる。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.3%増の217億50百万円、営業利益が同12.2%増の21億円、経常利益が同11.1%増の21億円、純利益が同12.2%増の11億70百万円としている。新規出店、首都圏での洋菓子販売強化、遷宮イベント開催の出雲や伊勢方面での販売強化、新規事業の本格化、製造採算の改善などで最高益更新見込みだ。需要期となる下期の構成比が高い収益構造だが、第2四半期累計(4月~9月)が期初計画を上回り、観光客の増加も追い風となることを考慮すれば通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、1250円~1300円近辺でのモミ合い展開から上放れて12月13日の1921円まで急伸した。その後一旦は反動局面となって12月16日に1520円まで調整する場面があったが、すぐに切り返して足元では1800円近辺に戻している。中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。
1月9日の終値1801円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS683円47銭で算出)は2.6倍近辺である。目先的にはやや過熱感を残しているが、週足チャートで見ると13週移動平均線が上向いてサポートラインとなりそうだ。強基調に変化はなく、自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
菓子製造販売の寿スピリッツ<2222>(東2)の株価は一気に水準を切り上げた後に一旦は反動局面となったが、早くも切り返している。
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2014-01-10 09:00