新幹線と中国高鉄 他国のプロジェクトで「受注競争」=中国メディア

 中国メディアの国際金融報は9月29日、高速鉄道プロジェクトがインドやタイ、マレーシアなどで進行していることを紹介しつつ、日本の新幹線と中国の高速鉄道が激しい受注競争を繰り広げていると伝えた。  記事は、1960年代に時速200キロでの走行を実現した新幹線は世界の高速鉄道のトップを走る技術の1つとする一方、近年の中国高速鉄道の発展ぶりを指摘したうえで「日本は世界の高速鉄道分野における発言権を中国に奪われつつある」と論じた。  続けて、シンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道プロジェクトの入札が2015年に行われるほか、インドやタイなどでも高速鉄道の建設プロジェクトが進んでいることを挙げ、東南アジアにおける高速鉄道プロジェクトをめぐって日本と中国がともに売り込みをかけていると紹介した。  さらに、新幹線と中国高速鉄道が今後もアジアおよび世界で受注競争を繰り広げるであろうことは「回避しようのないこと」とし、日中両国はすでにマレーシアでも火花を散らしていると指摘。日本、中国のほかフランスなどの企業が入札の意向を示しているとし、総事業費400億マレーシア・リンギット(約1兆3372億円)のプロジェクトに向け、JR東日本の小縣方樹副会長が「絶対に落札したい」と意気込んでいることも伝えた。  中国高速鉄道の強みは「中国政府の後押しがあること」および「建設コストの低さ」だと記事は指摘。さらに中国鉄路総公司の副総工程師(技術部門副責任者)の趙国堂氏の発言として、「中国高速鉄道はさまざまな天候・環境に適応できる」と主張、適応能力においても新幹線より優れていると論じた。  また記事は、中国は高速鉄道のさらなるコスト低減を目指し、海外での生産を開始していると紹介した。中国の車両製造大手である中国南車はすでにオーストラリアや南アフリカ、マレーシア、ブラジルなどに子会社を設立し、マレーシア、トルコには生産拠点も設けたと指摘したほか、マレーシアでは「高速鉄道」のハードだけでなく、各種サービスもあわせて提供できる体制を整えていると紹介、マレーシアの高速鉄道プロジェクトの受注に向けて準備を進めていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの国際金融報は9月29日、インドやタイ、マレーシアなどで高速鉄道プロジェクトが進行していることを紹介しつつ、日本の新幹線と中国の高速鉄道が激しい受注競争を繰り広げていると伝えた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2014-09-30 13:45