日本ライフラインは短期調整が一巡して6月の戻り高値に接近、2月の年初来高値も視野
医療機器輸入商社の日本ライフライン <7575> (JQS)の株価は、6月戻り高値892円から反落して750円~800円近辺でモミ合う展開だったが、9月中旬以降は850円~860円近辺まで水準を切り上げ、6月戻り高値に接近してきた。中期成長力を評価する流れに変化はなく、短期調整が一巡して6月戻り高値を試す展開だろう。2月の年初来高値965円も視野に入りそうだ。
心臓ペースメーカやカテーテルなど心臓循環器領域を中心とする医療機器輸入商社である。品目区分としては心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)などのリズムディバイス部門、EPカテーテル、アブレーションカテーテル、心腔内除細動カテーテル、高周波心房中隔穿刺針などのEP/アブレーション部門、人工心臓弁、人工血管、ステントグラフトなどの外科関連部門、バルーンカテーテル、ガイドワイヤーなどのインターベンション部門、および血液浄化関連などのその他部門を展開している。
国内を網羅する販売代理店ネットワークを構築した商社機能に加えて、メーカー機能の強化に向けて、09年に人工血管などを製造するJUNKEN MEDICAL社、10年にガイドワイヤーなどを製造するSYNEXMED社(香港)を子会社化した。採算性の高い自社製品の売上構成比上昇に向けて生産体制を一段と強化する方針で、14年10月には新工場となる小山ファクトリー(栃木県小山市)が稼動する。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月2日公表)は売上高が前期比4.8%増の255億39百万円、営業利益が同11.7%減の10億76百万円、経常利益が同19.1%減の10億81百万円、純利益が4億91百万円(前期は2億02百万円の赤字)で、配当予想は前期と同額の年間25円(期末一括)としている。純利益は前期計上の特別損失一巡や小山ファクトリー稼動に伴う助成金も寄与する。
売上面ではペースメーカが保険償還価格改定の影響を受けるが、EP/アブレーションと外科関連の拡大が牽引する。収益性の高い自社製品の拡販、前期販売開始した新商品の数量増加、さらに今期販売開始の新製品も寄与して増収見通しだ。
品目別売上高の計画はリズムディバイスが同12.7%減の57億72百万円、EP/アブレーションが同16.4%増の104億97百万円、外科関連が同12.0%増の51億87百万円、インターベンションが同6.7%減の26億29百万円、その他が同12.3%増の14億52百万円で、自社製品の売上高は同9.9%増の112億95百万円、自社製品の売上構成比(単体ベース)は47.4%としている。
利益面では、来期以降の新商品導入に係る薬事関連費用の増加で営業減益、経常減益見通しとしている。ただし増収効果や原価低減効果に加えて、自社製品比率上昇に伴うプロダクトミックス改善効果で売上総利益率改善が進展するため、通期利益見通しに上振れ余地があるだろう。
新商品に関しては、4月にバルーンカテーテルで初の自社製品となる「canPass」の販売、8月に心臓ペースメーカ新商品「REPLY200」の販売を開始した。第2四半期(7月~9月)には、外科関連で国内オンリーワン製品(国内唯一の開胸手術用)となる自社製品「J-Graftオープンステントグラフト」の販売を開始する。
第4四半期(1月~3月)にはMRI(磁気共鳴画像)検査対応の心臓ペースメーカ「KORA」およびICD関連の「INTENSIA」の上市を目指している。来期(16年3月期)はアブレーションのイリゲーション機能付き新製品の上市を目指し、15年春には子会社ハートブレーンがAED(自動体外式除細動器)の販売開始を予定している。一方では事業環境変化に対応して人工心肺関連製品の取り扱いを15年3月末に終了する。人工血管や弁膜症関連製品については引き続き注力するとしている。
中期目標数値として19年3月期売上高351億円、営業利益率10%以上を掲げ、メーカー機能と商社機能を併せ持つ強みを活かして各分野の商品ラインナップ充実で成長を目指すとしている。コアビジネスは輸入商品中心のリズムディバイスから、自社製品中心のEP/アブレーションおよび外科関連へシフトするようだ。自社製品比率の上昇も寄与して高収益化が期待される。
株価の動きを見ると、6月24日の戻り高値892円から反落して750円~800円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だったが、9月中旬以降は850円~860円近辺まで水準を切り上げ、6月戻り高値に接近してきた。短期調整が一巡したようだ。
9月30日の終値850円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円52銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は3.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1354円09銭で算出)は0.6倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ても25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなった。中期成長力を評価する流れに変化はなく、モミ合いから上放れて6月戻り高値を試す展開だろう。2月の年初来高値965円も視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器輸入商社の日本ライフライン<7575>(JQS)の株価は、6月戻り高値892円から反落して750円~800円近辺でモミ合う展開だったが、9月中旬以降は850円~860円近辺まで水準を切り上げ、6月戻り高値に接近してきた。
economic
2014-10-01 09:15