【為替本日の注目点】米株続落もドル円堅調、ユーロ安が円売りを加速

 NY市場  ドル円は、ユーロドルでドル高が進んだことを受け一時109円86銭と、直近高値を更新。その後はユーロが買い戻されたこともあり109円60-65銭で取引を終える。ユーロ圏のCPIが+0.3%と市場予想を下回ったことで、追加緩和観測が広がりユーロ売りが加速。一時2年振りとなる1.2571まで下落し1.26台に戻して引ける。  株式市場は続落。消費者信頼感など、経済指標が概ね軟調だったことを手がかりに、ダウは28ドル安。債券相場は反落。雇用統計を控え、やや売り物が優勢の展開となり長期金利は2.5%近辺まで上昇。金は反落し、原油も3ドルを超す大幅反落。   7月ケースシラー住宅価格指数  → +6.75%   9月シカゴ購買部協会景気指数  → 60.5   9月消費者信頼感指数      → 86.0   ドル/円 109.50~ 109.86  ユーロ/ドル 1.2571 ~ 1.2635  ユーロ/円 138.08 ~ 138.56  NYダウ -28.32 → 17,042.90ドル  GOLD -7.20   → 1,211.60ドル  WTI -3.41     → 91.16ドル  米10年国債 +0.018 → 2.495%  本日の注目イベント  豪   豪8月小売売上高   日   日銀短観   中   中国 9月製造業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)   英   英9月製造業PMI   米   9月ADP雇用者数   米   9月ISM製造業景況指数   ドル円は依然として109円台で推移し、昨日の昼ごろには株価の下落を受け109円20銭前後までドルが売られる場面もありましたが、結局109円は割り込まず上昇。海外市場ではさらにドル買いが続き、ユーロドルが1.26台を割り込んだことから円売りも加速し、109円86銭までドル高が進行しました。  ユーロ圏9月の消費者物価指数が発表され、前年同月比「+0.3%」でした。上昇率は前月の「+0.4%」を下回り、ユーロ圏ではインフレ率の低下が進んでいることが改めて確認されました。この結果、デフレ回避のためECBが追加緩和に踏み切る可能性がさらに高まり、ユーロ売りが加速。ユーロドルは一時、1.2571まで下落し2年ぶりの安値を示現しています。ユーロは対円でも138円を割り込み、このユーロ安がドル円にも波及し、ドル円が109円86銭をつけたと考えられます。  ECBのドラギ総裁は先週の講演でも「デフレ回避のための様々な用意がある」と述べており、他のECB理事も同様な発言を行っています。明日のECB理事会で何らかの対策を打ち出す可能性はありますが、仮に今回見送られても、追加緩和を含む景気刺激策を取らざるを得ない状況に追い込まれていると思います。昨日の下落で当面のメドである1.25台までユーロ安が進んだことから、目先「達成感」がでることも考えられますが、少なくとも何らかの対策が発表されるまでは、ユーロの先安観を払拭するのは難しそうです。  ドル円はジリジリと110円に向かっているようです。ユーロドルと同じように、ドル円の110円も目先のメドと見られます。ここに来てドルの上昇スピードはさすがに遅くなってきた感もありますが、それでも109円を割り込まず108円台を値固めした印象もあります。香港での民主化を求める大規模デモで株価が大きく下落した際にも、109円台を割り込んでいません。また、米国の長期金利が2.5%を割り込み、本来はドルが売られやすい状況でも同様にドル円は堅調です。  やはり「110円を一度は覗かないと収まらない」相場展開かもしれません。本日はADP雇用者数が発表され、週末には雇用統計です。重要な経済指標が相次ぐため、市場予想を上回るようなら一気に110円台を超えるドル高に進むきっかけになり易いと思われますが、反対に予想を下回った場合にはある程度の「調整」が見られることにもなりそうです。  また、昨日のユーロドルの値動きのように、ユーロがさらに下落し1.25前後までユーロ安が進むようだと、円への影響も避けられそうもありません。ユーロドルの動きにも注意が必要です。そしてドル円の「1時間足」をよく見ると、ダイバージェンスを起こしているのが見て取れます。109円40銭辺りを割り込むと短期的な「微調整」があるかもしれません。予想レンジは109円~110円程度としたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は、ユーロドルでドル高が進んだことを受け一時109円86銭と、直近高値を更新。その後はユーロが買い戻されたこともあり109円60-65銭で取引を終える。ユーロ圏のCPIが+0.3%と市場予想を下回ったことで、追加緩和観測が広がりユーロ売りが加速。一時2年振りとなる1.2571まで下落し1.26台に戻して引ける。
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2014-10-01 09:30