【為替本日の注目点】米雇用統計の結果次第では値幅大にも、山高ければ谷深し

 NY市場  ドル円は日本株の大幅下落もあり急落。東京時間では108円台半ばで下げ止まり反発したものの、NYではダウが130ドル余り下げたことで108円01銭まで円高が進む。ECBはカバードボンドABS購入の計画は示したものの、資産購入への言及を見送ったことでユーロが反発。ユーロドルは1.26台前半から1.27近辺まで買い戻しが進む。   株式市場はまちまち。欧州株の大幅安を受けてダウは一時130ドル余り下げる場面もあったが、引け値では3ドル安。ナスダックなど他の株価指数は小幅に反発。債券相場は反落。失業保険申請件数が予想以上に減少していたことを手がかりに売りものが優勢に。長期金利は2.42%台まで上昇。金は続落し、原油は小幅に反発。   新規失業保険申請件数 → 28.7万件    ドル/円 108.01~ 108.88  ユーロ/ドル 1.2615 ~ 1.2699  ユーロ/円 136.85 ~ 137.63  NYダウ -3.66 → 16,801.05ドル  GOLD -0.40   → 1,215.10ドル  WTI +0.28     → 91.01ドル  米10年国債 +0.042 → 2.425%  本日の注目イベント  中   中国9月非製造業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏9月小売売上高   英   英11月サービス業PMI   米   9月雇用統計   米   8月貿易収支   米   9月ISM非製造業景況指数   ドル円は8月下旬からの上昇トレンドを形成して来た中、初めて本格的な調整を見せました。昨日この欄で記述したように、日経平均株価が大引けにかけて下げ幅を拡大させ、前日比420円安で引けたことで円買いドル売りにつながっています。それでも108円台半ばで下げ止まっていたドル円は、NY市場ではダウが大幅安を見せたことで108円01銭まで円買いが進む場面もありました。  前日に110円09銭まで上昇したドル円が1日で2円を超える下落を見せたことになります。このタイミングを予想することは難しかったですが、やはり110円が一つの節目であったことと、調整があるとすれば雇用統計がきっかけになる可能性を指摘しましたが、概ねそのようなタイミングでした。  それにしても下げる時のスピードは相変わらず速かったです。これで1時間足など、短期的な動きを示すチャートは下落トレンドを示して来ました。昨日の下落が丁度4時間足の「120日線」で止められたことで、大きな流れは変わっていないと判断しています。同時にこの水準は今回の上昇幅の23.6%戻しに辺り、フィボナッチ・リトリースメントが機能していることも見て取れます。  投機筋などの積みあがった円売りドル買いポジションがどの時点で巻き戻しに入るのかが焦点でしたが、10月に入って、ヘッジファンドなどの決算も控えているこのタイミングで出たとの指摘もあります。昨日の動きを見ると、これまでドルを買えなかった多くの個人投資家がドルロングもあり、108円台半ばで一旦は下げ止まりましたが、その後さらに108円前後まで下落したことで、ある程度のロングポジションは構築できたと思われます。  ドル円がもう一段下げた際に、さらに買い増しできるかどうかもポイントになりそうです。下値のメドを確認してみると、先ずは昨日のNYの底値である108円前後です。さらに、節目であるということで107円50銭と、107円となり、その下は上記フィボナッチの38.2%にあたる106円80銭前後ということになります。「山高ければ、谷深し」とも言います。今回のドル上昇トレンドは103円を上抜けした時から始まりましたが、その直前の下値は101円50銭でした。ここを起点に計算すれば、今回の上昇幅は8円59銭と、かなりの上昇幅になります。  FRBは量的緩和を今月にも終了し、早ければ来年夏以降の利上げが見込まれています。一方日本では、4月の消費税増税の影響がじわじわと出てきており、GDPは下方修正されています。日銀が掲げている「2%の物価目標」も、8月の消費者物価指数は3.1%で、消費税分を引くと1.1%と試算されます。このため一部には追加緩和もあり得るとの見方が浮上しています。日米のこの構図が変わらない限り、ドル高円安の大きな流れは変わらないと考えております。  ECBは昨日の理事会で、ABSなど資産購入の計画は示しましたが、国債を含めた量的緩和については言及しませんでした。このためユーロが買い戻されていますが、足許では依然として年内の量的緩和実施はあり得るとしてユーロの上昇は限定的です。ただ、ユーロ売りのポジションも高水準であるため、さらにユーロの買戻しが進むと、ドル円にも影響がでる可能性はあります。ドル売り円買いが進むことにもなるため、ユーロドルの動きにも注意です。本日のレンジは107円50銭~109円30銭と、雇用統計の結果次第ではどちらにも値幅がでそうです。  10月です。北の方からはそろそろ紅葉の便りが届きます。日本で一番いい季節で、山に紅葉狩りにも出かけたくなります。御嶽山の噴火で多くの方が亡くなりましたが、かつてわれわれが教えられた「死火山」「休火山」「活火山」の分け方は間違いだとか。知りませんでした。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は日本株の大幅下落もあり急落。東京時間では108円台半ばで下げ止まり反発したものの、NYではダウが130ドル余り下げたことで108円01銭まで円高が進む。ECBはカバードボンドABS購入の計画は示したものの、資産購入への言及を見送ったことでユーロが反発。ユーロドルは1.26台前半から1.27近辺まで買い戻しが進む。 
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2014-10-03 10:00