ヨネックスは続落後に小反発、「第2、第3の錦織圭」続出で業績期待高めて割り負け株買いが交錯

  ヨネックス <7906> (東2)は、5円安の981円と4日続落して寄り付いたあと、3円高と買い直され小反発している。9月8日に錦織圭選手が、日本男子選手として初めて今年9月8日の全米オープンテニス大会の決勝戦に進出したことで関連人気を高めてストップ高し高値を更新、その後、1000円大台出没を続け、利益確定売りが先行した。   ただその全米オープン後も、アジア大会の男子テニスでは、西岡良仁選手が40年ぶりに金メダルを獲得、現在、国内で開催中の楽天ジャパン・オープン大会でも、伊藤竜馬選手が、第1シードで全豪覇者・世界ランク4位のワウリンカ選手を破る大金星を上げるなど「第2、第3の錦織圭」が続出し、錦織選手自体も、順調にジャパン・オープンを勝ち上がって、10月5日には決勝戦が予定されるだけに、テニスブーム再来を先取り、下値には割り負け株買いも交錯している。錦織選手のスポンサー企業となっているファーストリテイリング <9983> が、前日発表の9月月次売り上げの大幅続伸で株価が急続伸していることも、側面支援材料として意識されている。 ■硬式テニスラケットにヒット商品が生まれるなど連続増益を支援   日本のテニス人口は、日本テニス協会の調査では2012年時点で373万人と10年前の423万人から長期的減少傾向にあり、テニス用品市場も、国内出荷額が、バブル景気末期(1991年)の直近ピ-ク1051億円から541億円に半減した。テニス人口のうち若年層は、テニスの人気マンガ「テニスの王子様」効果で一時、増加したものの、同マンガの連載が2008年に終了したこともあって、減少傾向に拍車を掛けた。それだけに今回の錦織圭選手や西岡良仁選手、伊藤竜馬選手と日本選手の活躍が続くことは、テニスブーム復活の引き金になるとも期待され、楽天ジャパン・オープンの10月5日の決勝戦で錦織圭選手が優勝することにでもなれば、一段と盛り上がることになる。   ヨネックスは、バドミントン、テニス、ゴルフを収益の柱とするスポーツ用品メーカーで、業績も、前3月期業績を2回も上方修正、今期も続伸を予想するなど好調に推移している。今年8月6日に発表した今期第1四半期(1Q)業績も、前年同期比11.1%増収、68.9%経常増益、2.11倍純益増益と期初予想ペースを上回って続伸した。国内外の契約選手の活躍に連動した広告活動の積極化などで、アジア地域や北米市場でのバドミントンの売り上げは拡大し、国内では硬式テニスラケットにヒット商品が生まれたことなどが寄与しており、前年同期の為替差益が為替差損に転じたことをカバーした。   第2四半期(2Q)・3月通期業績は期初予想を据え置いており、通期業績は、売り上げ450億円(前期比11.1%増)、経常利益21億8200万円(同2.0%増)、純利益12億7200万円(同11.2%増)と見込んでいる。今年5月にはソニー <6758> が開発した「スマートテニスセンサー」を装着した硬式テニスラケットを発売しており、11月初旬予定の2Q累計決算発表時の業績上ぶれ期待にもつながっている。 ■PBRは0.7倍と出遅れが目立ち25日線水準から上値窺う   株価は、今期業績の続伸予想で25日移動平均線をサポ-トラインに下値を切り上げ、錦織圭選手の全米オープン決勝戦進出よるストップ高から再度、25日線で下値を試す急落となったが、下げ過ぎとして1000円台まで切り返した。PERは16倍台と東証2部市場平均15.6倍をやや上回るものの、PBRは0.71倍と同市場平均0.94倍より割り負けており、高値奪回から一段の上値追いに弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ヨネックス<7906>(東2)は、5円安の981円と4日続落して寄り付いたあと、3円高と買い直され小反発している。9月8日に錦織圭選手が・・・。
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2014-10-03 10:15