「機内モード」でも使用禁止に 中国の「携帯電話事情」を垣間見る=中国メディア

日本では9月1日より、航空機内において電波を発しない電子機器の常時使用が認められるようになり、スマートフォンなどはあらかじめ「機内モード」にしておけば電源を切らずに済むようになった。しかし、お隣の中国では状況がまったく異なる。今も離着陸時はおろか水平飛行中でさえ携帯電話の電源は切らなければならない。「機内モード」でもダメなのだ。
そんななか、中国メディア・新華網は9月30日、「飛行機内において携帯電話の『機内モード』が使えるようになるかもしれない」とする記事を掲載した。記事は、現在中国国内では「機内モード」の携帯電話さえ使用が禁じられている状況を説明したうえで、その理由にかんする専門家の解説を紹介した。
専門家曰く、「理論上」では飛行機が通信に使用する電波と携帯電話の電波は互いに干渉しないという。ただし、中国には多数のメーカーが作った大量の携帯電話に加え、「入網許可証」(電気通信設備の使用許可証)のないパクリ品が横行しているために、電波に想定外の「ノイズ」が発生し、飛行機に干渉する危険性があるとのこと。その可能性も極めて低く、これまでに事故が発生したことはないものの「安全面を考慮し、民間航空当局は携帯電話に対して厳しい管制を敷いている」というのだ。
記事で紹介している専門家は、電波の危険性について説明しており、電波を発しない「機内モード」を禁止する理由の説明にはなっていない。そこで記事は、現在民間航空当局が上空3000メートルにおける「機内モード」の利用許可について模索し、すでに技術的な検証を開始していることも紹介。
2016年には結果が出て、利用が認められる可能性が大きいと伝えた。どうやら、安易に解禁してしまっては何が起きるか保証できないから、理論上ではなく実際に安全確認が取れるまで「機内モード」さえも認めるわけにはいかない、というのが当局の姿勢のようだ。専門家の説明は、「パクリ品の『機内モード』が本当に電波を発していないか保証できない」ということなのかもしれない。
中国政府・中国民航局の規定では、携帯電話は「機内モード」にしても一切利用できないが、タブレット型コンピューターについては離着陸時を除いて「機内モード」での使用が認められている。記事は、国内の一部航空会社で機内WiFiサービスの試験が行われているのと同時に、機内からの通話についても研究開発中であるとした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
日本では9月1日より、航空機内において電波を発しない電子機器の常時使用が認められるようになり、スマートフォンなどはあらかじめ「機内モード」にしておけば電源を切らずに済むようになった。しかし、お隣の中国では状況がまったく異なる。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-03 15:45