日機装は米国ボーイングの中型旅客機「787」向けに主翼部材を今年末から供給、収益押し上の立役者へ
■株価はボックス相場を上放れる公算大
日機装 <6376> は、今年末からボーイング787旅客機の主翼部材(炭素繊維で強化した複合部材)を供給することになった。ベトナム工場で生産し、米国のボーイング組み立て工場に納入される。
ボーイング787はボーイングが社運を賭けた最新鋭の中型旅客機だ。機体に軽くて丈夫な炭素繊維が使用されたことにより、燃費が飛躍的に向上し注目された。しかし、就航した当初、バッテリーの燃焼事故が発生し、先行きが危ぶまれたものの、最近では、世界中の空で活躍をしている。
全日空の787の機長は「本当に素晴らしい機体で、飛行中に雷雲が発生しても、機体が軽いためすぐに上昇して対応できるし、客室の気圧もこれまでの機体に比べて高めに設定、出来るために乗り心地は格段に飛躍した」と説明していた。今後、世界中に旅客機の需要は4000機とも5000機とも言われており、ボーイング787の受注も順調に推移するものと見られる。
折しも、11月4日に米国では中間選挙が実施される。今のところ野党の共和党が有利のようだが、問題は次期の大統領選挙だ。このままでは、民主党敗退の可能性が強い。民主党は大統領選挙に勝利するために、支持層を拡大する必要がある。そこで、浮かび上がるのが、巨大企業ボーイングの存在だ。関連会社の社員や、その家族を含めるとその数は相当なものになる。同社はかねてより、民主党と関係が深い。オバマ大統領はボーイングの工場でスピーチを行ったことがあるほどだ。ボーイングの社員を民主党に取り込むために、オバマ大統領が率先してボーイング機販売のトップセールスをやることが、充分に予想される。
ボーイングは787機の受注獲得に全力を挙げており、つれてこの関連メーカーは潤うことなる。そのダークホース的な存在として同社が注目される。同社の航空宇宙事業の売上高は2014年3月期79億円から、18年3月期には150億円に急拡大する。となると当然、200億円も射程圏に入ってこよう。全体の業績面に与える影響は大きいものになってくるはずだ。
一方、株価はこうした好材料に対して評価不足の感が否めない。ここ6カ月間1100円から1200円のボックス相場を形成してきたが、シコリ玉もほぐれつつあり、上放れる可能性がある。来期増益に転じることがハッキリしてくれば、2013年高値1499円を奪還し1500円台乗せも見込めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日機装<6376>(東1・売買単位100株)は、今年末からボーイング787旅客機の主翼部材(炭素繊維で強化した複合部材)を供給することになった。ベトナム工場で生産し、米国のボーイング組み立て工場に納入される。
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2014-10-05 16:00