立花エレテックは9月高値から一旦反落したが自律調整の範囲、切り返しのタイミング

  電機・電子技術商社の立花エレテック <8159> の株価は、8月末に1400円台の上値フシを突破し、9月25日の高値1580円まで上値を伸ばした。その後は全般地合い悪化も影響して10月3日に1421円まで調整する場面があったが、自律調整の範囲で切り返しのタイミングだろう。今期(15年3月期)業績見通し上振れの可能性、指標面での低PERと低PBRが支援材料であり、ロボット関連や3Dプリンタ関連のテーマ性も注目されそうだ。   FAシステム事業、半導体デバイス事業を主力として、施設事業、産業デバイスコンポーネント事業、その他事業(ソリューション事業とMS事業)を展開している。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した。   積極的なM&A戦略も推進し、10年にFA機器専門商社の大電社を完全子会社化、12年に関東圏を地盤とするFA機器専門商社の高木商会と資本・業務提携して持分法適用会社化した。13年2月には、ルネサスエレクトロニクス<6723>の販売子会社からコンポーネント事業と半導体製品再販事業の移管を受けて、子会社の立花デバイスコンポーネントを設立した。   技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善などを推進している。中期成長に向けた重点戦略としては、FAシステム事業ではロボット関連の強化、半導体デバイス事業では品揃えの強化、施設事業では年間売上高150億円への挑戦、産業デバイスコンポーネント事業では事業再構築などを掲げている。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月12日公表、5月19日に一部訂正)を据え置いて売上高が前期比2.9%増の1460億円、営業利益が同9.9%増の48億円、経常利益が同5.0%減の53億50百万円、純利益が同3.4%減の37億円、配当予想が特別配当1円を落として同1円減の年間22円(第2四半期末11円、期末11円)としている。   セグメント別の売上高は、FAシステム事業が同2.3%増の683億円、半導体デバイス事業が同2.4%増の531億円、施設事業が同6.5%増の140億円、産業デバイスコンポーネント事業が同4.0%減の52億円、その他事業が同14.4%増の54億円の計画としている。   第1四半期(4月~6月)は設備投資関連や電子デバイス関連などが好調に推移して前年同期比6.7%増収、同74.8%営業増益、同17.0%経常増益、同18.9%最終増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は、売上高が22.0%、営業利益が20.0%、経常利益が22.0%、純利益が22.9%である。設備投資関連は年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高くなる収益構造を考慮すれば概ね順調な水準だろう。   会社見通しでは円安効果の一巡や消費増税の影響なども考慮しているようだが保守的な印象が強い。好採算分野の受注増加も寄与して通期上振れの可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、8月末に1400円台の上値フシを突破し、9月25日の高値1580円まで上値を伸ばした。その後は配当落ちや全般地合い悪化も影響して10月3日に1421円まで調整する場面があったが、自律調整の範囲だろう。10月3日は終値で前日比プラス圏に切り返している。   10月3日の終値1441円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS170円63銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2130円80銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を一旦割り込んだが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して切り返しのタイミングのようだ。今期業績見通し上振れの可能性、低PER、低PBRも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電機・電子技術商社の立花エレテック<8159>(東1)の株価は、8月末に1400円台の上値フシを突破し、9月25日の高値1580円まで上値を伸ばした。
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2014-10-06 09:00