ミロク情報サービスは高値更新の展開、中期成長力を評価して上値追い
財務・会計ソフトのミロク情報サービス <9928> の株価は高値更新の展開が続いている。9月10日に550円を付けて7月高値を突破し、10月3日には608円まで上値を伸ばした。指標面に割高感はなく、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開し、システム導入契約売上とサービス収入が収益柱である。全国約8400の会計事務所ユーザーおよび約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、サービス収入などのストック型収益構造を特徴としている。
会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも?がるトータルソリューションが強みだ。13年10月には連結会計システム開発のプライマルと資本・業務提携して、連結会計や連結納税までグループ経営支援ソリューションの提供を強化している。
14年5月に発表した第3次中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では目標数値として17年3月期売上高260億円、経常利益40億円、純利益24億50百万円、売上高経常利益率15%、ROE15%を掲げている。
重点戦略として、顧客基盤拡大に向けた販売戦力増強と販路拡大(市場ポテンシャルに合わせた人的リソース配分適正化、販社M&Aも活用したエリア拡大、顧客サポート体制と経営情報サービスの充実など)、新規顧客を創造する新製品・サービス開発(マルチデバイス対応のクラウドサービスなど)、新規事業による新たな収益基盤確立(利益率向上に向けた事業ポートフォリオ再設計、中小企業の事業再生支援サービスへの参入など)を推進している。
新規事業では、登録会員数120万人を突破した中小・ベンチャー企業支援ビジネス情報サイト「bizocean(ビズオーシャン)」のクラウド拡充とネットビジネスへの展開、マルチデバイス対応お金管理アプリ「マネトラ」による消費者間取引(CtoC)市場への参入、経済団体・FC企業への会計クラウドサービスの提供などを推進する。
14年5月には全国商工会連合会の会員事業者向け「会計・税務のクラウド型アプリケーションソフト」を開発し、6月にはジャパンネット銀行と提携してCtoC向けクラウド型会計アプリ「個人収支管理アプリbyマネトラ」を提供した。
8月にはソフトテックス社から完全Web対応のクラウド販売管理システム「商い哲人EX」を譲り受け、韓国トップクラスの電子金融専門企業であるWebcash(ウェブキャッシュ)社と資本業務提携(9月下旬をメドに株式3~5%を取得)した。また9月には中小企業の事業承継や事業再生を支援する100%子会社MJS M&Aパートナーズを設立した。中期経営計画で掲げた重点戦略が着実に進展しているようだ。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比2.3%増の225億90百万円、営業利益が同5.4%増の25億20百万円、経常利益が同4.8%増の25億40百万円、純利益が同8.7%増の15億10百万円、配当予想が前期と同額の年間15円(期末一括)としている。
会計事務所向けシステムや中堅・中小企業向けERPシステムの拡販、新規顧客開拓の強化、ソフト保守サービス契約率の上昇なども寄与して、システム導入契約売上、サービス収入とも好調に推移する。4期連続で最高益更新の見込みだ。
第1四半期(4月~6月)は前年同期比8.0%増収、同15.7%営業増益、同14.0%経常増益、同22.1%最終増益と好調に推移し、通期見通しに対する進捗率は売上高が24.9%、営業利益が23.7%、経常利益が24.4%、純利益が24.4%と概ね順調な水準である。ストック型収益の積み上げを考慮すれば通期会社見通しに上振れ余地があり、中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動き(3月27日付けで貸借銘柄に選定、4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、13年9月高値469円突破後は高値更新の展開が続いている。7月高値549円から一旦反落したが、8月直近安値475円から切り返し、9月10日に550円を付けて7月高値を突破した。そして10月3日には608円まで上値を伸ばした。中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。
10月3日の終値608円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円23銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS402円29銭で算出)は1.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。指標面に割高感はなく、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
財務・会計ソフトのミロク情報サービス<9928>(東1)の株価は高値更新の展開が続いている。9月10日に550円を付けて7月高値を突破し、10月3日には608円まで上値を伸ばした。
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2014-10-06 09:15