【為替本日の注目点】米雇用受けドル全面高、株高好感で直近高値を更新か
NY市場
米9月の雇用統計では非農業部門雇用者数と失業率がともに予想より改善していたことで、ドル円は109円91銭まで上昇し、僅か1日で元の水準を回復。特に失業率は5.9%と、リーマンショック前の水準を回復。ドル全面高の展開からユーロドルも続落。一時1.2501までユーロ安が進み、ポンドドルも1.60を割り込む。
株式市場は雇用統計の結果を受けて大幅反発。米経済への信頼が強まったとしてダウは208ドルの大幅高となり、その他主要指数も軒並み大幅に上昇。債券市場は良好な雇用統計を受け売られたものの、下げ幅は小幅に留まる。長期金利はほぼ横ばいの2.43%で引ける。ドル高が進んだことで金は大幅安。前日比22ドル下落し、昨年11月以来となる1192ドルで取引きを終える。原油も大幅に値を下げ90ドルを割り込む。
9月非農業部門雇用者数 → +24.8万人
9月失業率 → 5.9%
8月貿易収支 → -401億ドル
9月ISM非製造業景況指数 → 58.6
ドル/円 108.87~ 109.91
ユーロ/ドル 1.2501 ~ 1.2619
ユーロ/円 137.07 ~ 137.63
NYダウ +208.64 → 17,009.69ドル
GOLD -22.20 → 1,192.90ドル
WTI -1.27 → 89.74ドル
米10年国債 +0.005 → 2.430%
本日の注目イベント
豪 シドニー市場休場(レーバ-デイ)
米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
9月の雇用統計は市場予想を上回る結果でした。失業率は2008年7月以来となる6%を割り込み5.9%。非農業部門雇用者数は24.8万人と、いずれも事前予想よりも大幅に改善していました。8月の雇用者が市場予想を大きく下回るサプラズでしたが、こちらは上方修正があるかもしれないと予想していましたが、7月分と併せて上方修正されました。8月分は14.2万人から18万人に、7月分は21.2万人から24.2万人にそれぞれ修正されました。これで単純計算しても、ここ3ヶ月の雇用者数は平均でも22万人増加したことになります。
米雇用は好調な個人消費に支えられている面が大きく、その個人消費は株高など「資産効果」による部分が大きいと思われます。つまり、株高が源泉となり、個人消費を伸ばし、その結果企業収益の拡大につながり、さらに企業も雇用を増やすという「好循環」が定着しつつあるということです。米国ではドライブシーズンも真っ盛りです。折からの原油安も消費拡大にはプラスに働きそうです。
1日にドル円が110円09銭を記録してから、2円を超す「調整」に入りましたが、僅か1日で再び110円を窺う水準までドル高が進んで来ました。上述のように、米景気の拡大が米経済の信頼につながり、「ドル全面高」の展開になっているわけですが、急激な円安に対する懸念の声も日増しに大きくなっています。
ただこの円安の流れは今のところ「対ドル限定」であるため、大きな問題にはなっていません。ユーロ圏ではデフレ化がさらに進むという見方からユーロが売られ、ポンドも景気の先行きに対する不透明感が増したことで、対ドルでは1.60を割り込んできました。オセアニア通貨も同様な状況です。2015年にも利上げに踏み切ると見られる米国の一人勝ちといった様相です。
今週は1日につけた110円09銭をどこまで上抜けするのかが注目されます。本日も、日経平均株価の反発に期待が集まり、上昇幅次第では110円台に乗せ、直近の高値を更新することも考えられます。依然として円安のスピードが早すぎるのは事実で、この先110円に乗せても、そこからのドルの上昇スピードはこれまでのように速くはないと予想します。大きな流れは不変とは思いますが、これからは米国からのドル高懸念、あるいは日本からの円安を懸念する発言には注意が必要です。スピード調整はあるかもしれません。本日のレンジは109円40銭~110円30銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米9月の雇用統計では非農業部門雇用者数と失業率がともに予想より改善していたことで、ドル円は109円91銭まで上昇し、僅か1日で元の水準を回復。特に失業率は5.9%と、リーマンショック前の水準を回復。ドル全面高の展開からユーロドルも続落。一時1.2501までユーロ安が進み、ポンドドルも1.60を割り込む。
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2014-10-06 09:30