イビデンは安値更新、米国株急反発・円安も「リターン・リバーサル」買い不発で業績下方修正売り続く

  イビデン <4062> は、21円高の1754円と5営業日ぶりに急反発して寄り付いたあと、48円安の1685円と売り直され5月1日につけた年初来安値1701円を更新している。同社株は、9月30日に今3月期通期業績の下方修正を発表、減益転換率を悪化させたことがネガティブ・サブライズとなって窓を開けて約20%の急落となり、前週の東証第1部週間値下がり率のワースト1位となっており、前週末3日に米国市場でニューヨークダウが、208ドル高と急反発し、為替相場も、再び1ドル=109円台と円安となったことから、下げた株ほど良く戻るとする投資セオリーの「リターン・リバーサル」買いの再燃が期待されたが、高寄り後はなお手仕舞い売りが増勢となっている。信用取組は、売り長となっているが、売り方ペースの下値確認トレンドが続いている。 ■2Q業績は上方修正も子会社立ち上げ費用増で3月通期業績を下方修正   同社の今3月期業績は、パソコン用パッケージ基板や欧州乗用車市場向けのセラミック事業の順調な推移や円安に伴う為替差益の計上で第2四半期(2Q)累計業績を期初予想から上方修正したものの、3月通期業績は、逆にスマートフォン・タブレット端末向けのプリント配線板事業で下半期に計画していた子会社のイビデンエレクトロニクスマレーシアの第2棟の立ち上げ費用が計画以上に増加し、競合他社との競争激化で計画していた製品受注も困難になったとして下方修正した。   3月通期業績は、期初予想より売り上げを150億円、営業利益を70億円、経常利益を40億円、純利益を55億円それぞれ引き下げ、続伸を見込んでいた営業利益は、180億円(前期比23.2%減)と減益転換し、経常利益は200億円(同29.5%減)、純利益は110億円(同37.0%減)と減益転換率を悪化させ、市場コンセンサスを約73億円~約52億円下回る。マレーシア子会社の第2棟の生産設備増強は、前期業績を上方修正した昨年11月に投資再開として決定され、総投資額400億円を計画、今期は320億円を予定していたが、この見積もりが甘いとしてコーポレート・ガバナンスそのものに問題があるとして市場で厳しく評価され、証券会社の目標株価引き下げも重なって株価急落に拍車を掛けた。 ■今年5月安値からの上昇幅は帳消しとなりPBRは0.7倍   株価は、5月の年初来安値から下げ過ぎ訂正で下値を切り上げ、第1四半期業績が減益転換したものの市場コンセンサスを上回ったとして上値を追い、円高修正と米アップル社の新製品関連人気で同高値2193円まで約500円高し、今回の業績下方修正で帳消しとなる急落を演じた。PER評価では21倍台と割高となるが、PBRでは0.7倍と割り負けており、下値では「リターン・リバーサル」期待の再燃、突っ込み買いの一考余地もありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
イビデン<4062>(東1)は、21円高の1754円と5営業日ぶりに急反発して寄り付いたあと、48円安の1685円と売り直され5月1日につけた年初来安値1701円を更新している。
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2014-10-06 11:00