ワークマンは高値圏で堅調推移、自律調整一巡して上値追い
作業服店チェーンのワークマン <7564> (JQS)の株価は、8月27日に5990円、9月3日に6000円まで上値を伸ばして年初来高値を更新した。その後は上げ一服の形だが高値圏で堅調に推移している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。
ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴とするとともに、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の開発・拡販、さらに単品管理プロジェクトの推進、地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。
前期(14年3月期)末店舗数は1都2府37県下にFC店(加盟店A契約店舗)618店舗、直営店(加盟店B契約店舗およびトレーニング・ストア)112店舗の合計730店舗である。人口10万人に1店舗として、中期的には22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗の展開を目指している。
9月29日には、来期(16年3月期)から実施する「中期業態改革ビジョン」の中で、アベノミクスの法人減税が実現して業績も増収増益が続けば、在籍社員の年収を現在の約600万円(平均年齢36.4歳)から5年を目途に約100万円引き上げる目標を織り込んだと公表している。また女性の活用についても、産休後の子育て期間の時短勤務、地域限定社員制度、自由勤務制などの体制整備を進める。小売企業の中でトップクラスの待遇や女性社員が第一線で働きやすい環境を作り、社員のモチベーション向上と業績拡大につなげる方針だ。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月30日公表)を据え置いてチェーン全店売上高が前期比6.0%増の729億円、営業総収入(売上高)が同7.3%増の516億40百万円、営業利益が同7.8%増の90億30百万円、経常利益が同7.0%増の101億70百万円、純利益が同11.0%増の61億90百万円、配当予想が前期と同額の年間83円(期末一括)としている。5期連続の増収増益で最高益更新の見込みだ。
店舗展開は新規出店25店舗、S&B(スクラップ・アンド・ビルド)4店舗、運営形態変更23店舗、期末店舗数は755店舗(直営117店舗、FC638店舗)の計画で、14年11月から北海道エリアに初出店する。既存店売上高は同4.2%増(客数が同3.2%増、客単価が同1.0%増)を想定し、PB商品売上構成比は同1.7ポイント上昇の12.3%の計画としている。
第1四半期(4月~6月)はチェーン全店売上高が前年同期比3.1%増、営業総収入(売上高)が同5.4%増、営業利益が同4.5%増、経常利益が同5.1%増、そして純利益が同9.6%増と順調に推移し、第2四半期累計(4月~9月)見通しに対する進捗率は営業総収入が52.3%、営業利益が55.7%、経常利益が55.2%、純利益が57.6%と高水準だった。好業績が期待される。
デザイン性を強調したテレビCM放映効果による知名度向上、積極的な新規出店と出店エリア拡大、既存店の好調、さらにPB商品売上構成比の上昇による粗利益率改善などで、中期的にも収益拡大基調だろう。
10月1日発表の月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、14年9月は全店99.8%、既存店98.8%だった。9月は全国的に降水量が平年を下回ったことで、合羽や長靴などの雨具類が前年を割り込んだようだ。ただし14年4月~9月累計では全店103.4%、既存店101.8%と好調を維持している。なお9月は新規出店1店舗、閉店2店舗で9月末店舗数は737店舗となった。
株価の動きを見ると、6月高値5930円から利益確定売りで一旦反落したが、7月の直近安値圏4900円~5000円近辺で調整が一巡し、8月27日に5990円、9月3日に6000円まで上値を伸ばして年初来高値を更新した。その後は上げ一服の形だが高値圏で堅調に推移している。中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。
10月6日の終値5570円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS303円85銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間83円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1953円29銭で算出)は2.9倍近辺である。日足チャートで見ると足元で25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを継続している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
カーテンレールやブラインド類大手のトーソー<5956>(東2)の株価は、9月2日に509円を付けて年初来高値を更新し、その後は9月16日に528円、さらに10月1日に530円まで上値を伸ばす場面があった。
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2014-10-07 09:00