【為替本日の注目点】利益確定の売りでドル下落、LMCI鈍化市場は見極めムード
NY市場
ドル円は特段売り材料もない中下落。108円65銭までドル安が進み、先週末の雇用統計後に買ったドルの利益確定の売りとの声も。ユーロドルも買い戻され、1.25台半ばから1.2675まで反発。ユーロ売りが積みあがっており、こちらも利益確定の買戻しが中心。
株価は反落。企業決算がまもなく始まることから、決算内容を見極めたいとする雰囲気が強く、IT株を中心に下落。ダウは17ドル下げ、1万7000ドルの大台を割り込む。債券相場は小幅に反発。FRBが発表した9月の労働市場情勢指数(LMCI)が鈍化傾向を示したことで10年債利回りは小幅に低下。ドルが売られたことで、金と原油はともに反発。
ドル/円 108.65~ 109.48
ユーロ/ドル 1.2542 ~ 1.2675
ユーロ/円 137.12 ~ 137.77
NYダウ -17.78 → 16,991.91ドル
GOLD +14.40 → 1,207.30ドル
WTI +0.60 → 90.34ドル
米10年国債 -0.011 → 2.419%
本日の注目イベント
豪 RBAキャッシュターゲット
日 10月景気動向指数
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田・日銀総裁記者会見
独 独8月鉱工業生産
米 8月消費者信用残高
米 IMF、世界経済見通し
米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
米 ダドリー・NY連銀総裁講演
ドル円は再び108円台まで下落し、先週末の雇用統計前の水準まで戻った格好です。今回のセッションでは110円台には届かずに108円台までドルが売られたことで、徐々に110円台が重いという相場観が定着するおそれもあります。基本的なドル高トレンドは変わらないとしても、これまでのドルの上昇スピードが早すぎたことへの警戒感も出ているようです。
先週末に初めて耳にした言葉があります。LMCI( Labor Market Conditions Index )、日本語では労働市場情勢指数と訳されていますが、失業率や、非農業部門雇用者数だけではなく、労働参加率や、週あたりの賃金など、実に19項目を加味して計算された指数です。この指数は以前から存在していまししたが、FRBは2013年4月を最後に更新していませんでした。それが先週末にFRBは、6日から更新を始めると発表していました。これはいわば、雇用に関する「総合指数」と見ることができます。市場関係者が最も注目するのが非農業部門雇用者数と失業率ですが、イエレン議長はこれまでも度々「雇用の質」にも言及してきました。
雇用者数は平均20万人を超え、失業率もリーマンショック前の水準である5.9%まで低下したことで、FRBの目標とする労働環境に戻っています。今後はこの指数が市場の注目を集め、市場参加者を一喜一憂させることになりそうです。因みに昨日発表されたLMCIは「2.50」で、8月の「2.0」からは改善していましたが、今年7月の「7.10」からは大きく悪化しています。雇用者は増加し、失業率は低下傾向にあるものの、まだ雇用を取り巻く環境としては、イエレン議長がよく用いる「たるみ」(スラック)があるということを示しています。今後はこの指数にも注目していきたいと思います。
ドル円は既に「日足」でもMACDがデッドクロスを見せていることから、再び下値を試す展開になりそうです。先週のNYでは一時108円01銭までドルが売られる場面があったため、下値のメドはこの水準かと思われますが、ここはちょうど「4時間足」の120日線がサポートしたことが確認できます。現在この移動平均線は108円40銭に位置しているため、目先のサポートレベルはこのあたりとかと予想しています。一方ドルが反発した場合は、108円95-109円が最初のレジスタンスとなり、さらに109台に乗せた場合には、109円15-25銭辺りが重要な値位置となります。そして、そこを上抜けできれば再び上昇機運が高まると見ています。
本日は午後12時30分にオーストラリアの政策金利が発表されます。変更はないと見られますが、声明文が注目されます。豪ドル円はここ一月以上、概ね95-96円のレンジ相場が続いていますが、このレンジはどちらか明確に抜けたら、その方向へ大きく値が飛ぶ可能性があるため注意が必要です。予想レンジは108円40銭~109円30銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は特段売り材料もない中下落。108円65銭までドル安が進み、先週末の雇用統計後に買ったドルの利益確定の売りとの声も。ユーロドルも買い戻され、1.25台半ばから1.2675まで反発。ユーロ売りが積みあがっており、こちらも利益確定の買戻しが中心。
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2014-10-07 09:30