なぜ中国人は海外で「爆買い」するのか? 中国メディアが分析

中国メディアの北京青年報は5日、中国人観光客が中国国内ではなく、海外でブランド品などを買い漁っていることについて、「国内の改革が停滞していることを示す現象だ」と論じる記事を掲載した。
記事は中国の旅遊研究院の予測を引用し、2014年の中国の旅行収支が1000億米ドル(約10兆9382億円)以上の赤字になる見通しだと伝え、中国人観光客は1人あたり2万元(約35万5700円)を海外で消費していると紹介した。
続けて、「中国では大型連休を迎えるたびに景勝地の入場料高騰が話題になる」としたほか、近年はショッピングが中国人の海外旅行における大きな目的の1つになっていると指摘。その背景として、中国商務部の調査を引用し、中国国内では時計やバッグ、酒類、電子製品などの高級品の価格が香港より45%、米国より51%、フランスより72%も高い現状があると伝えた。
さらに、中国人観光客が国内ではなく海外で消費を行っていることについて、記事は「わが国の貿易収支均衡の一助となり、巨額の外貨準備がもたらす負担を軽減してくれるものの、内需振興や消費拡大による経済モデルの転換にとっては不利となる」と指摘。
さらに中国人が海外で消費を行う背景として、「中国国内における偽物商品の氾濫」や「高すぎる関税」などを挙げ、中国国内で消費を促進する環境の整備が遅れているためだと論じた。続けて、専門家の意見を引用し、高級ブランドなどに対する関税を10%引き下げるだけでも、中国人がこれまで海外で消費していた金額のうち約3000億元(約5兆3358億円)が中国国内で消費されるだろうと指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの北京青年報は5日、中国人観光客が中国国内ではなく、海外でブランド品などを買い漁っていることについて、「国内の改革が停滞していることを示す現象だ」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-07 15:15