イーグランドは中古再生住宅需要は旺盛、13年12月の高値圏目指す
中古住宅再生事業のイーグランド <3294> (JQS)の株価は、8月の直近安値575円から急反発し、750円~850円近辺での短期モミ合いを経て9月26日に戻り高値となる916円まで上伸した。その後10月2日の752円まで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。強基調を確認した形であり、13年12月IPO直後の高値1163円80銭を目指す展開だろう。なお10月31日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。
首都圏を地盤に、中古マンション・戸建住宅の再生事業を主力として、その他不動産事業(不動産賃貸、リフォーム工事請負など)も展開している。中古住宅再生事業は、競売や任売(任意取引)で仕入れた中古住宅を個々の状況に応じてリフォームし、中古再生住宅として販売する。
長年の不動産競売取引で培った価格算定力を活かして、首都圏(1都3県)での不動産競売において業界一の落札実績を持ち、若年ファミリー層など初めて住宅を購入する層をメインターゲットとして、ボリュームゾーン2000万円以下の低価格帯居住用物件の取り扱いを主力としている。リフォームコストを抑えることで良質で安価な中古住宅を提供するとともに、家具付き販売や最低10年アフターサービス保証などで他社物件との差別化を図っていることも特徴だ。
リスク低減への取り組みとしては、仕入から販売までの期間を適切に管理するとともに、原則1戸単位でエリアを分散した仕入を実行している。14年3月期の物件平均保有期間は5.7ヵ月で13年3月期の6.3ヵ月から0.6ヵ月短縮した。また現在の仕入は約3分の2が競売仕入、約3分の1が任売仕入だが、今後は首都圏での任売仕入強化に伴って、任売仕入の比率が上昇する見通しだ。
中期成長に向けて仕入力強化と事業エリア拡大戦略を推進している。10年3月に札幌支店、11年11月に宇都宮支店、14年5月に関西支店を開設した。新たな事業展開エリアとして今後は名古屋、福岡、仙台への進出を視野に入れている。中期目標数値としては仕入件数を毎期2割増加させ、19年3月期をメドに売上高300億円を目指している。ストック型収益基盤構築に向けて不動産賃貸事業も強化する方針だ。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(5月12日公表)を据え置いて売上高が前期比26.8%増の158億85百万円、営業利益が同3.0%増の12億32百万円、経常利益が同6.6%増の10億15百万円、純利益が同7.8%増の6億29百万円としている。配当予想については8月8日に発表した株式4分割((効力発生日14年10月1日)に伴って年間10円(期末一括)としている。株式4分割を考慮すると実質的に前回予想に変更はなく、前期との比較でも同額となる。
低価格の中古再生住宅に対する需要は旺盛であり、今期は関西支店の開設、仕入・販売件数の増加、賃料収入の増加、売上総利益率の上昇などで人件費や仲介手数料の増加を吸収し、増収増益見込みとしている。販売件数は同175件増加の823件、平均販売価格は前期と同水準の19百万円の計画である。
第1四半期(4月~6月)は、消費増税の影響を受けて販売件数が前年同期の170件から157件に減少したが、概ね計画水準のようだ。仕入件数は前年同期の161件から204件に増加した。関西エリアにおける仕入活動本格化も寄与して販売用不動産の積み上げが順調に推移している。
第2四半期累計(4月~9月)見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が45.8%、営業利益が50.3%、経常利益が50.3%、そして純利益が52.0%と順調な水準である。第2四半期(7月~9月)は消費増税の影響が概ね一巡しているもようであり通期ベースで好業績が期待される。
株主優待制度(8月8日に新設を発表)については、毎年3月末および9月末時点で1単元(100株)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。14年9月末から実施した。
株価の動き(効力発生日14年10月1日付で株式4分割)を見ると、8月8日の直近安値575円から急反発し、750円~850円近辺での短期モミ合いを経て9月26日に戻り高値となる916円まで上伸した。その後10月2日の752円まで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。
10月7日の終値783円を指標面(株式4分割後)で見ると、今期予想PER(会社予想に株式4分割を考慮したEPS100円06銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS622円82銭で算出)は1.3倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を一旦割り込んだが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して反発の動きを強めている。強基調を確認して13年12月IPO直後の高値1163円80銭を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中古住宅再生事業のイーグランド<3294>(JQS)の株価は、8月の直近安値575円から急反発し、750円~850円近辺での短期モミ合いを経て9月26日に戻り高値となる916円まで上伸した。
economic
2014-10-08 09:15