中国の友人を「小江戸(川越市)」に案内して感じたこと
日本経営管理教育協会が見る中国 第327回--宮本邦夫(日本経営管理教育協会会長)
先だって上海に在住する20数年来の友人(画家)が訪日したので、「小江戸(川越市)」に案内した。知人は、何年か前にトランジットで1、2日東京に滞在したことはあるが、本格的な観光はしたことがなかったため、今回、東京、北海道、箱根、大阪、京都など有名な観光地を10日ほどかけて訪ねたのである。そして、帰国する前日、「最も日本的な町」を見たいというので、「小江戸(川越市)」を選んで案内した次第である。
川越に到着後、早めの昼食をとって、まず訪ねたのは喜多院である。彼が最も興味・関心を示したのが五百羅漢で、盛んにシャッターを切り出した。名前が表示してある羅漢について質問するのだが、的確に答えられなかった。そこから、徒歩で「時の鐘」まで行った。途中、日本的な家屋、小さな神社、寺院があると、写真を撮り続けた。そして、老舗が並ぶ大通りに出ると、写真を撮る頻度がますます多くなり、なかなか先に進まないので、私は、暑い中でイライラしながら待つしかなかった。最後に、大通りのはずれにある喫茶店に入って、いろいろと話し合った。話は、日本の歴史、文化、神社仏閣に関するものであったが、私のつたない中国語と英語とのチャンポンでのやりとりであったから、彼がどれだけ理解したかは分からない。
彼を「小江戸(川越市)」に案内して、訪日する中国人に対する「もてなし」について、いろいろと考えさせられた。その第一は、幅広い知識を持つことの必要性、重要性を強く感じたことである。彼は、日本についての知識をほとんど持ち合わせていないので、いろいろと質問してくるのだが、なかなか正確・的確に答えられないのである。自分がいかに日本について知らないかを痛感させられた。「知らないものは知らない」と答えればそれですむのかもしれないが、やはり正確・的確に答えられるように、「日本的なもの」について、もっと勉強しようと決意を新たにした次第である。
第二に感じたことは、「日本的なもの」の中でも、特に「日本の歴史、文化」について、勉強しなければならないと思ったことである。喜多院の例で言えば、喜多院が建立された江戸時代は、日本の歴史の中でどのように位置づけられるのか、どのような特徴があるのか、江戸の文化とはどういうもであったのか、などについてよく知らねばならないと思った。
第三点は、相手のニーズ、要望に応えることのできる「もてなし」をするということである。今年の中国人観光客は、前年の2倍に達すると言われている。その中には、f訪日2度目、3度目のリピーターが多いはずである。リピート回数が多くなるほど、訪日のニーズ、要望は多様化するはずである。その多様化するニーズ、要望を充足させる「もてなし」をしないと、訪日中国人の不平不満を招くだけである。その策を考えるのはかなり難しいことではあるが、避けて通れない課題であり、いろいろと知恵を出し合って方策を考え実行すべきではなかろうか。
写真は小江戸の町並み。(執筆者:宮本邦夫・日本経営管理教育協会会長 編集担当:水野陽子)
先だって上海に在住する20数年来の友人(画家)が訪日したので、「小江戸(川越市)」に案内した。知人は、何年か前にトランジットで1、2日東京に滞在したことはあるが、本格的な観光はしたことがなかったため、今回、東京、北海道、箱根、大阪、京都など有名な観光地を10日ほどかけて訪ねたのである。そして、帰国する前日、「最も日本的な町」を見たいというので、「小江戸(川越市)」を選んで案内した次第である。
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2014-10-08 18:30