キムラユニティーは9月戻り高値から一旦反落したが自律調整の範囲、低PBRも支援材料に13年5月高値を目指す

  総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は、8月の直近安値938円から切り返し、9月25日の995円まで上値を伸ばして1月の年初来高値1002円に接近した。その後は配当落ちや全般地合い悪化が影響して一旦反落したが、自律調整の範囲だろう。中期成長力を評価する流れに変化はなく、低PBRも支援材料として13年5月高値1030円を目指す展開だろう。   トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野を中心としたシステム開発などの情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開し、13年12月には日本最大級の軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。   物流サービス事業ではネット通販市場の拡大も追い風として、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)事業の新規顧客開拓や生産性改善を推進している。14年4月にはスズケン <9987> の物流センター業務のうち庫内物流業務を請け負うため千葉県印西市に印西事業所、14年5月には東芝ロジスティクスの物流業務を請け負うため神奈川県川崎市に川崎事業所を開設した。NLS事業は新規顧客開拓が順調に進展して今期(15年3月期)売上高見通しが80億円強となり、中期目標としていた売上高100億円の達成が視野に入った。   海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から倉庫内物流請負を新規受注し、さらなる受注拡大に向けて14年7月に新倉庫が竣工・稼働した。また中国では自動車保有台数の増加に伴って、中期的に補修部品需要の拡大基調が予想されている。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(4月25日公表)を据え置いて売上高が前期比10.2%増の450億円、営業利益が同3.6%増の17億50百万円、経常利益が同6.2%減の20億円、純利益が同6.2%減の11億50百万円、そして配当予想が前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。   セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画を見ると、物流サービス事業はトヨタ自動車関連の堅調推移、NLS事業の新規顧客獲得、中国子会社の物量増加、米国子会社の物流業務本格稼働などで同2.9%増の288億60百万円、そして自動車サービス事業はスーパージャンボの通期連結も寄与して同28.1%増の147億85百万円、情報サービス事業は同12.1%増の12億円、人材サービス事業は同6.3%減の6億30百万円、その他事業は同1.2%減の45百万円としている。なお北米子会社の新倉庫は14年7月稼働のため今期は半期分の寄与となる。   第1四半期(4月~6月)は、新規事業所の生産準備費用の想定以上の増加などで前年同期比47.0%営業減益、同55.3%経常減益、同96.3%最終減益だったが、売上面では中国子会社における物量増加、北米子会社における物流業務本格稼働、スーパージャンボの連結も寄与して同12.7%増収と好調だった。   通期ベースでも物流サービス事業と自動車サービス事業の好調が牽引し、北米子会社の新倉庫稼働も寄与する。国内の単価改正や人件費の増加を増収効果や原価改善効果などで吸収して営業増益見通しだ。想定為替レートは1米ドル=101円で、営業外収益での為替差益を見込まず経常利益と純利益は減益見通しとしているが、ドル高・円安が進行している現状を考慮すれば、為替差益が発生して経常利益と純利益の上振れの可能性が高いだろう。   なお株主優待については、毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じて「お米券」を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有している株主に対しては、保有株数に応じて長期優待が上乗せされる。たとえば1000株以上を2年以上保有している場合は「基本優待お米券5kg+長期優待お米券2kg=合計お米券7kg」を贈呈する。   株価の動きを見ると、8月の直近安値938円から切り返し、9月25日の995円まで上値を伸ばして1月の年初来高値1002円に接近した。その後は配当落ちや全般地合い悪化が影響して10月3日に947円まで調整する場面があったが、足元では970円近辺に戻している。自律調整の範囲だろう。   10月8日の終値968円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円29銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1910円73銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって13週移動平均線を回復した。強基調を確認した形であり、13年5月高値1030円を目指す展開だろう。中期成長力を評価する流れに変化はなく低PBRも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は、8月の直近安値938円から切り返し、9月25日の995円まで上値を伸ばして1月の年初来高値1002円に接近した。
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2014-10-09 09:15