カナモトは9月高値から急反落したが調整一巡感、切り返しのタイミング

  建設機械レンタル大手のカナモト <9678> の株価は、9月2日の高値4905円から、第3四半期累計(11月~7月)業績発表で材料出尽くしとして急反落し、9月19日の3700円まで調整した。ただしその後は4100円近辺まで戻す場面もあり、調整一巡感を強めている。今期(14年10月期)業績見通しに再増額の可能性があり、調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。   建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。北海道を地盤に東北、関東、中部、近畿、九州にも営業拠点網を拡充して全国展開を加速し、10月2日には関西エリアでのレンタル需要増加に対応して、関西エリア5店舗目となる大阪北営業所(大阪府高槻市)を開設した。大阪北営業所開設により、当社の営業拠点数は169拠点、子会社・アライアンスグループを含めると343拠点となった。   グループ戦略強化に向けて、12年6月に道路建機レンタルと道路工事施工のユナイトを子会社化し、14年4月には環境保全設備や地下施設建設機械などの製造・レンタルを手掛ける子会社のKGフローテクノが中国・上海に現地法人を設立した。   また14年6月には業務プロセス向上やコスト削減など競争優位の創出を実現するため社長直轄の「業務改善推進室」を新設し、14年8月には成長戦略の一環として関東・関西エリアへの出店を加速させるため「市場開発室」を新設している。   9月18日には新長期ビジョンおよび中期経営計画を発表した。55期となる5年後の19年を見据えたグループの目指す姿を新長期ビジョン「BULL55」として示し、その実現に向けた実行計画である17年までの3ヵ年中期経営計画「BULL53」を策定した。中期経営計画「BULL53」では重点施策を国内営業基盤の拡充、海外展開、内部OPの最適化として、目標数値は17年10月期売上高1500億円、営業利益190億円、ROA5.0%以上、ROE10%以上などを掲げている。   今期(14年10月期)の連結業績見通しは前回予想(5月29日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比10.6%増の1226億円、営業利益が同40.5%増の160億10百万円、経常利益が同40.3%増の155億40百万円、純利益が同33.8%増の77億70百万円、配当予想が同10円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)(普通配当20円+記念配当10円)としている。   震災復旧・復興関連工事、防災・減災・耐震化関連工事、老朽化インフラ補修・更新関連工事、都市再開発関連工事、激甚災害現場の復旧工事などが活発であり、営業拠点網拡充などの営業強化策も寄与して建設機械レンタル需要が高水準で推移する。販管費抑制などの効果も寄与して大幅増収増益見通しだ。   第3四半期累計(11月~7月)は建設機械レンタル需要が好調で前年同期比15.4%増収、52.4%営業増益、49.4%経常増益、52.9%最終増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が75.6%、営業利益が80.0%、経常利益が80.0%、純利益が92.6%と高水準である。   公共投資の比率が高まる年度末(1月~3月)が当社の第2四半期累計に当たることや、技能労働者不足による工事遅延の影響などを考慮しても、通期見通しには再増額の可能性があるだろう。老朽化インフラ更新工事や20年東京夏季五輪などを背景として、中期的に事業環境は良好であり収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、9月2日の高値4905円から第3四半期累計業績発表で材料出尽くしとして急反落し、9月19日の3700円まで調整した。ただしその後は4100円近辺まで戻す場面もあり、調整一巡感を強めている。   10月8日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS215円59銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1513円49銭で算出)は2.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。今期業績見通しに再増額の可能性があり、調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設機械レンタル大手のカナモト<9678>(東1)の株価は、9月2日の高値4905円から、第3四半期累計(11月~7月)業績発表で材料出尽くしとして急反落し、9月19日の3700円まで調整した。
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2014-10-09 09:15