【為替本日の注目点】株式異常は投資家の不安心理、ユーロドル注意

 NY市場  前日107円台後半を記録したドル円は、買い戻しが優勢となり108円台後半まで値を戻したが、FOMC議事録発表後は急速にドル売りが膨らんだ。一時108円まで下落し、この日の安値圏で取引を終える。ユーロドルも急速に買い戻され、約2週間振りに1.27台半ばまでユーロ高が進む。  株式市場は3日振りに反発。FOMCの議事録がやや「ハト派」的だったことと、前日の大幅下落の反動でダウは274ドル高で引ける。債券相場は3日続伸。FOMC議事録で、世界的な景気減速に言及されていたことで中期債を中心に買い物を集める。金は反落。原油は全般的な商品相場の下落と、在庫が積み上がっていたことを材料に4日続落。一時は86ドル台まで売られ1年半振りの安値を示現。  ドル/円 108.00~ 108.74  ユーロ/ドル 1.2641 ~ 1.2749  ユーロ/円 136.90 ~ 137.92  NYダウ +274.83 → 16,994.22ドル  GOLD -6.40   → 1,206.00ドル  WTI -1.54     → 87.31ドル  米10年国債 -0.023 → 2.317%  本日の注目イベント  豪   豪9月雇用統計   独   独8月貿易収支   独   独8月経常収支   欧   ECB月例報告   英   BOE金融政策発表   米   新規失業保険申請件数    米   G20(ワシントン)   米   ドラギ・ECB総裁講演(ワシントン)   米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演   米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演   ドル円は前日のNYで107円台後半をつけてから、昨日の東京と欧州市場で2度108円台割れを、試しましたが、いずれも跳ね返されています。ひとまず107円台では目先の底値に近いと見て、ドル買い意欲が強いようです。ただユーロなど主要通貨がドルに対して買い戻されていることから、円にも買い戻しが入りやすい状況かもしれません。  ユーロドルは約2週間振りに1.27台半ばまで買い戻されています。ユーロ売りが積み上がっていたことで、利益確定の買い戻しが中心だと思われますが、年内にも量的緩和の可能性が残るユーロについては、ここからさらに上昇に向かう可能性は低いと見られます。テクニカル的には1.2770-80あたりにレジスタンスが控えており、1.28台乗せは厳しい情勢かと思います。ただそれでも、依然としてユーロのショートは高水準だと思われ、買い戻しがさらに進むこともないとはいえませんので、ここは注意が必要です。  注目のFOMC議事録では、金融政策当局者は世界的な経済成長減速とドル上昇が、米国の景気見通しにとってリスク要因になり得ると指摘したことが明かになりました。特にユーロ圏での長引く成長失速とインフレ低下が一段のドル上昇を招き、米国の対外部門に悪影響を及ぼす可能性があるとの懸念も、一部の参加者が表明したともあります。  また利上げのタイミングについては、10月の資産購入プログラムが終了した後も、事実上のゼロ金利を「相当な期間」据え置くとの表現が維持されたとも記述されていました、(ブルームバーグ)この発表を受け、内容が「ややハト派寄りだった」との見方からNY株式市場が急速に買い物を集め、ダウは前日の下げ幅を上回る274ドル高を記録しました。  NY株式市場については、個人的にはやや不安を覚えます。17200ドル台を記録してからのダウ指数は、上げても下げても値幅が大きく、10月に入ってからは昨日までの6営業日のうち、なんと4営業日で200ドルを超す上昇と下落を繰り返しています。これは明らかに異常なことで、株価の先行きに対する投資家の不安心理を表しています。来年半ば頃には利上げが行われるという「金融引き締め政策への転換」が、不安心理を増幅させていると思われます。  ドル円は107円台では底堅い動きを見せるものの、108円台後半では上値を抑えられる展開が続いています。107-110円のレンジ内に入った可能性もあり、足元では110円がやや重くなってきた印象もあります。今日、明日では特に重要な経済指標の発表はありませんが、本日から始まるワシントンでのG20では、ドラギECB総裁の講演が予定されています。IMFの景気見通しでも、昨日のFOMC議事録でもユーロ圏の景気低迷が指摘されています。これに対して、ドラギ総裁が「量的緩和」を含む、具体的な景気刺激策等に言及するようだと、ユーロドルが動意つき、ドル円への影響もあるかもしれません。本日のレンジは107円70銭~108円70銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
前日107円台後半を記録したドル円は、買い戻しが優勢となり108円台後半まで値を戻したが、FOMC議事録発表後は急速にドル売りが膨らんだ。一時108円まで下落し、この日の安値圏で取引を終える。ユーロドルも急速に買い戻され、約2週間振りに1.27台半ばまでユーロ高が進む。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-10-09 09:45