ソーバルは目先的な売りが一巡して反発のタイミング

  ソフト開発技術者派遣のソーバル <2186> (JQS)の株価は、7月の高値928円を突破し、9月29日には1049円まで上伸して13年7月高値1015円も突破したが、第2四半期累計(3月~8月)の営業減益を嫌気する形で急反落し、10月3日の835円まで調整する場面があった。ただし足元は850円~860円近辺で推移して下げ渋る動きだ。今期(15年2月期)増収増益見通しが評価材料であり、目先的な売りが一巡して反発のタイミングだろう。   ソフト開発技術者分野のエンジニアリング事業(ソフトウェア・ハードウェアのエンジニア派遣および受託開発)、その他事業(RFID製品・システムの開発・販売など)を展開している。   前期(14年2月期)の顧客別売上構成比はキヤノン <7751> グループ66.0%、ソニー <6758> グループ9.5%、富士通 <6702> グループ8.6%、NTT <9432> グループ3.9%、その他12.0%で、優良な大口顧客を抱えていることが特徴だ。12年9月にオムロン <6645> 向け主力のモバイルコンピューティングテクノロジーズ(現MCTEC)を子会社化するなど、M&Aも活用して顧客や分野の多様化を進めている。   9月30日に発表した今期(15年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の連結業績は売上高が前年同期比3.9%増の34億60百万円、営業利益が同6.0%減の2億71百万円、経常利益が同5.7%減の2億75百万円、純利益が同5.5%減の1億59百万円だった。   本社移転費用48百万円を計上したため営業減益だったが、主力のエンジニアリング技術者派遣需要が好調に推移し、業務ベースでは実質的に営業増益となって売上高、利益とも期初計画を達成した。顧客別にはソニーグループ向けが大幅に増加し、本社移転によって受託案件の作業効率化や各種ノウハウの共有化などの効果も寄与した。その他事業のRFIDについては、電波法改正に伴うソフトバンク <9984> 関連の機器置き換え特需が寄与した。   通期の連結業績見通しは前回予想(4月10日公表)を据え置いて売上高が前期比1.1%増の67億円、営業利益が同4.2%増の5億40百万円、経常利益が同5.9%増の5億47百万円、純利益が同5.9%増の3億20百万円、配当予想が配当性向35%を目標として同5円増配の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。   主要顧客の研究開発関連プロジェクトなどに対する派遣需要が旺盛であり、新規顧客開拓も寄与して派遣稼働率が高水準に推移する。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.6%、営業利益が50.2%、経常利益が50.3%、純利益が49.7%と順調な水準である。通期ベースで好業績が期待される。   製造業では技術者不足が深刻化しているため、新製品開発関連などで優秀な技術者に対する派遣・請負ニーズが一段と高まっている。派遣・請負会社としての人材確保が課題となるが、派遣単価の上昇も期待され、中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、7月高値928円を突破して上げ足を速め、9月29日には1049円まで上伸して13年7月高値1015円も突破したが、第2四半期累計の営業減益を嫌気する形で急反落し、10月3日の835円まで調整する場面があった。ただし足元は850円~860円近辺で推移して下げ渋る動きだ。目先的な売りが一巡したようだ。   10月9日の終値851円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円57銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は3.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS559円59銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線がサポートラインの形だ。今期増収増益見通しや足元で3%台の高配当利回りが評価材料であり、目先的な売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ソフト開発技術者派遣のソーバル<2186>(JQS)の株価は、7月の高値928円を突破し、9月29日には1049円まで上伸して13年7月高値1015円も突破したが・・・。
economic
2014-10-10 09:00