【為替本日の注目点】NYダウ今年最大の下げ幅で円上昇、不透明感拡大
NY市場
懸念材料のNY株式市場が今年最大の下げ幅を見せたことでリスク回避の円買いが加速し、ドル円は107円54銭まで下落。ECB総裁の講演でユーロ円の売りも加わり、ドル円の上値を重くした。ユーロドルは1.27台後半から急落。ドラギ総裁が講演で追加刺激策に言及したことで一時1.26台半ばまでユーロ安が進み、ユーロ円も136円台半ばと、1円程度下落。
株式市場は大幅に反落。欧州の成長減速が米景気に悪影響を及ぼすとの観測が広がり、ダウは334ドル下げ、1万6600ドル台と、約3ヶ月振りの水準まで下落。債券相場は前日と変わらずほぼ横ばい。長期金利は2.32%台で取り引きを終える。金は反発。原油は続落し、2012年11月以来の85ドル台まで下落。
新規失業保険申請件数 → 28.7万件
ドル/円 107.54~ 108.18
ユーロ/ドル 1.2664 ~ 1.2777
ユーロ/円 136.65 ~ 137.43
NYダウ -334.97 → 16,659.25ドル
GOLD +19.30 → 1,225.30ドル
WTI -1.54 → 85.77ドル
米10年国債 +0.009 → 2.326%
本日の注目イベント
米 IMF年次総会
米 9月財政収支
米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
昨日もこの欄で触れましたが、NY株式市場がジェットコースターのような動きを見せ、前日の274ドル上昇した分を吐き出す334ドル下落し、今年最大の下げ幅を記録しました。ここまで株式を売る決定的な材料があったわけではありませんが、前日のIMFの景気見通しで、欧州景気の減速が米経済にも悪影響を及ぼす可能性があることが蒸し返された形でした。システム売買の盛んなNY株式市場では、一定の値幅まで下げると、売りが売りを呼ぶ展開となり、値幅が大きく拡大する傾向があります。
ドラギECB総裁がワシントンで講演を行い、「欧州の人々から託された物価安定をもたらすという責務がECBにはある」とし、「今日においてはつまり、過度に低いインフレ率を引き上げるということだ。まさしくそれを、われわれは成し遂げる」と述べています。インフレ率引き上げに対する決意を改めて示した格好です。この講演の内容を受けて、ユーロが対ドルや円で再び売られる展開となり、その他の主要通貨ではドル高が進んだものの、ドル円の反発は限られました。ドル円は107円54銭まで下落し、今月1日の110円09銭から既に2円50銭ほど反落し、本格的な調整が進行中です。
テクニカル的には、107円40銭前後が目先のメドと見られ、ここを割り込むともう一段の下落も意識する必要がありそうです。ここには一目均衡表の「基準線」があり、ローソク足は既に「転換線」を下回っており、相場の基準であるこの「基準線」を下回ると、展開が違ってくると思われます。ただ現在この「基準線」は横ばいの動きを見せていることから、ドル円の大きな下落を示唆しているわけではありません。また「8時間足」を観ると、雲の中を下降中ですが、雲の下限がやはり107円40銭を下回った位置にあります。107円40銭近辺から107円に掛けてはしっかりとしたサポートが観られるのではないかと予想しています。
来週からは米国で企業決算が続々と発表になります。大手金融機関をはじめ、ジョンソン&ジョンソンなども発表が予定されています。トムソン・ロイターの調査によると、今決算では前年同期比で平均4%程度増益と予想されており、この予想通りであれば株価の下支え要因になろうかと思います。
いずれにしても荒っぽい値動きを見せるNY株式市場からは目が離せず、NY株式市場の影響をもろに受ける日本株の動きにも注視する必要があります。ドル円が107円台半ばまで下落したことで、専門家の間からは105円まで下落するという声も出てきました。この状況は、ちょうど今年の初めに105円45銭を記録し、多くの専門家が110円にはすぐにも届くと予想したにも関わらず100円75銭まで下落し、その後101ー103円台で長く低迷した状況に似ているかもしれません。上がり続ける相場はなく、いずれ「調整」が来ることは解っていますが、その調整がどのタイミングでやって来るのかがなかなか予想できません。ここに相場の難しさがあるのかもしれません。本日のレンジは107円40銭から108円50銭程度と予想したいと思います。
明日からは3連休です。われわれの年代では10月10日が「体育の日」というイメージが強いのですが、今年は13日がその日で振り替え休日になります。良い連休を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
懸念材料のNY株式市場が今年最大の下げ幅を見せたことでリスク回避の円買いが加速し、ドル円は107円54銭まで下落。ECB総裁の講演でユーロ円の売りも加わり、ドル円の上値を重くした。ユーロドルは1.27台後半から急落。ドラギ総裁が講演で追加刺激策に言及したことで一時1.26台半ばまでユーロ安が進み、ユーロ円も136円台半ばと、1円程度下落。
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2014-10-10 09:30