第2回「輸入企業」の実態調査=帝国データバンク

 円安、零細企業への影響懸念  ~円安8円で約5000億円の売上高下押し~  はじめに  近年騒がれている燃料費や原材料費の高騰。その背景には、円安による輸入コストの上昇が潜んでいる。円相場は1日午前の東京外国為替市場で一時1ドル=110円の大台を突破し、約6年1カ月ぶりの安値となった。今後も円相場は円安基調で推移するとの予想があり、更なる円安局面を迎える可能性があるなか、企業への影響が懸念されている。  帝国データバンクは、2014年9月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(145万社収録)をもとに、直接、間接を含め輸入取引のある企業を抽出。業種別、年商規模別、損益状況、などを分析した。なお、「輸入企業」の実態調査は2013年5月23日に続き2度目となる。  調査結果  1.直接、間接を問わず、海外との間で輸入取引を行っている輸入企業は国内に7万1524社  2.業種細分類で赤字企業比率を見ると、「婦人・子供服卸」「婦人・子供服小売」など衣料品関連のほか、「生鮮魚介卸」など水産関連が全業種平均(16.9%)を上回っている  3.直近決算の当期純損益が判明した4万4217社について損益状況を見ると、赤字企業比率は16.9%となり、輸出企業の赤字企業比率(15.6%)を上回っていることが判明  4.年商規模別に損益を見ると、「1億円未満」の赤字企業比率は35.0%となり、規模が小さくなるにつれて赤字比率が高まっていることが明らかとなった  5.1円の円安ドル高が日本全体に及ぼす経済効果を求めると、1兆3765億円であった。なお、海外取引形態別の経済波及効果を見ると、海外取引で「輸入」のみを行っている企業による経済効果はマイナス643億円と判明。つまり、8月以降急速に円安が進み、約2カ月間で約8円の円安ドル高に振れたことで、約5000億円下押しがあった(情報提供:帝国データバンク)
近年騒がれている燃料費や原材料費の高騰。その背景には、円安による輸入コストの上昇が潜んでいる。円相場は1日午前の東京外国為替市場で一時1ドル=110円の大台を突破し、約6年1カ月ぶりの安値となった。今後も円相場は円安基調で推移するとの予想があり、更なる円安局面を迎える可能性があるなか、企業への影響が懸念されている。
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2014-10-10 09:45