エスプールは目先的な売り一巡して切り返しのタイミング、今期好業績見通しを再評価

  人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、8月の直近安値731円から切り返して10月1日の1188円まで上伸したが、第3四半期累計(12月~8月)業績発表をきっかけに急反落した。10月10日には800円まで調整する場面があった。材料出尽くしとして利益確定売りが優勢になったようだ。ただし売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡し、今期好業績見通しを再評価して切り返しのタイミングだろう。   ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス・農園運営、フィールド調査アウトソーシング、マーチャンダイジング)、人材ソリューション事業(コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務など人材に係わるサービス)を展開している。なお除染業務は受注単価が下落しているため14年3月末で撤退した。   障がい者雇用支援サービスは障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。千葉県市原市「わーくはぴねす農園 市原ファーム」では23社の企業がサービスを利用し、14年6月には千葉県長南町「わーくはぴねす農園 茂原ファーム」を新設した。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大する方針だ。   ロジスティクスアウトソーシングサービスはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。フィールド調査アウトソーシングでは電力会社が推進するスマートメーター関連業務が拡大している。9月には子会社エスプールエコロジーが一般建設業(電気工事業、電気通信工事業)の許可を取得した。移動通信キャリアの通信・ネットワーク機器の設置業務、電力計のスマートメーター化に関連したサポート業務の事業拡大を推進する方針だ。   人材ソリューション事業では、コンビニエンスストア向けストアスタッフサービスを強化する。ファミリーマート <8028> のFC店舗向けに人材提供を一括で行う「人材サポートセンター」を設立することでファミリーマートと合意した。コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務に続く収益柱に育成する方針だ。   10月2日に発表した今期(14年11月期)第3四半期累計(12月~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比22.6%増の48億49百万円、営業利益が同2.8倍の1億55百万円、経常利益が同3.3倍の1億47百万円、純利益が同3.5倍の1億21百万円だった。   ビジネスソリューション事業では障がい者雇用支援サービスの第2農園への参画企業が想定以上のペースで増加し、スマートメーター関連業務も大幅に増加した。人材ソリューション事業では携帯電話販売業務やコールセンター業務が好調に推移した。セグメント別営業利益(全社費用等調整前)はビジネスソリューション事業が同42.2%増の1億95百万円、人材ソリューション事業が同22.3%増の2億39百万円だった。   通期の連結業績見通しは前回予想(1月15日公表)を据え置いて売上高が前期比11.8%増の60億円、営業利益が同2.3倍の1億50百万円、経常利益が同2.8倍の1億37百万円、純利益が同2.6倍の1億17百万円としている。配当予想については10月2日に増額修正(復配)を発表した。業績および財務体質の改善が進み、復配の目途が立ったとして年間10円(期末一括)を実施する。6期ぶりの復配となる。   ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける新規顧客獲得、つくばECセンターの本格稼動と生産性改善、障がい者雇用支援サービスにおける第2農園(茂原ファーム)開設、フィールドマーケティングの黒字化、スマートメーター関連業務の拡大、人材ソリューション事業における携帯電話販売支援業務およびコールセンター業務の好調、受注単価の上昇などが寄与する。大幅増収増益見通しだ。   通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が80.8%、営業利益が103.3%、経常利益が107.3%、純利益が103.4%で、利益は通期見通しを超過達成している。通期会社見通しを据え置いているが、業績予想の修正が必要になった場合は速やかに開示するとしている。増額は濃厚だろう。   中期経営計画では目標値として16年11月期売上高100億円、営業利益5億円を掲げている。成長分野での積極的な拡大戦略を推進する方針であり、高付加価値サービスの拡大が牽引して中期的に収益拡大基調だろう。   なおマイルストーン・キャピタル・マネジメントを割当先として13年12月16日に発行した第2回新株予約権について、10月1日に全ての権利行使が完了したと発表している。   また10月9日には株式の立会外分売を発表した。分売予定株式数は11万株、分売予定期間は10月16日~10月21日で、分売値段は分売実施日前日の終値または最終気配値を基準として決定する。   株価の動きを見ると、8月の直近安値731円から切り返して10月1日の1188円まで上伸したが、第3四半期累計業績の発表をきっかけに急反落した。10月10日には800円まで調整する場面があった。材料出尽くしとして利益確定売りが優勢になったようだ。ただし売られ過ぎ感を強めている。   10月10日の終値835円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円76銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(今期第3四半期累計実績の連結BPS204円36銭で算出)は4.1倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線対するマイナス乖離率が13%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが700円台の下値支持線に接近している。材料出尽くしとする目先的な売りが一巡し、今期好業績見通しを再評価して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、8月の直近安値731円から切り返して10月1日の1188円まで上伸したが、第3四半期累計(12月~8月)業績発表をきっかけに急反落した。
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2014-10-14 09:15