三洋貿易は売られ過ぎ感強めて反発のタイミング

  ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易 <3176> の株価は、8月の上場来高値1579円後の高値圏モミ合い展開だったが、地合い悪化が影響して10月10日には1252円まで調整した。ただし売られ過ぎ感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく反発のタイミングだろう。なお11月6日に前期(14年9月期)決算発表を予定している。   ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。   主力の自動車関連向けは各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を主力としている。飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。   前期(14年9月期)の連結業績見通し(4月22日に増額)は売上高が前々期比11.6%増の570億円、営業利益が同22.9%増の30億円、経常利益が同15.4%増の32億円、純利益が同22.0%増の18億円で、配当予想(9月9日に増額)は同4円増配の年間34円(第2四半期末15円、期末19円)としている。   国内外で自動車関連の合成ゴム商材やシート用部品が好調に推移し、新規商材の拡販、国内子会社の資源関連掘削機械の好調も寄与する。さらに販管費抑制、営業外収益での受取配当金や為替差益の増加、営業外費用での株式公開関連費用の一巡なども寄与して大幅増益見通しだ。   第3四半期累計(10月~6月)は前年同期比14.4%増収、39.5%営業増益、31.5%経常増益、43.6%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が75.8%、営業利益が82.8%、経常利益が84.6%、純利益が87.2%と高水準だった。   設備投資関連商材は3月決算企業の期末にあたる第2四半期(1月~3月)の構成比が高い要因を考慮しても、再増額の可能性があるだろう。さらに今期(15年9月期)についても自動車関連が好調に推移して好業績が期待され、中期目標数値として掲げた15年9月期売上高610億円、営業利益30億円を順調に達成しそうだ。   中期成長に向けた戦略として、自動車関連商材を中心としたグローバル展開の強化、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱・海洋資源開発、木質バイオマス・ガス化発電、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・バイオ関連・医療関連商材などの生活関連分野)の強化を掲げている。中期的にも収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、8月25日の上場来高値1579円まで上値を伸ばした後は高値圏でモミ合う展開だったが、足元では水準を切り下げて調整局面となった。10月10日には1252円まで調整した。特に個別悪材料は見当たらないが、全般地合い悪化が影響して利益確定売りが優勢になったようだ。ただし中期成長力を評価する流れに変化はなく売られ過ぎ感も強めている。   10月10日の終値1266円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS125円07銭で算出)は10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は2.7%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS1027円32銭で算出)は1.2倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線に接近している。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易<3176>(東1)の株価は、8月の上場来高値1579円後の高値圏モミ合い展開だったが、地合い悪化が影響して10月10日には1252円まで調整した。
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2014-10-14 09:15