パイプドビッツはボックスレンジ下限に到達して反発のタイミング
情報資産プラットフォーム事業のパイプドビッツ <3831> の株価は、9月の戻り高値圏1700円台から第2四半期累計(3月~8月)業績を嫌気する形で反落し、10月10日には1433円まで調整する場面があった。ただし10月10日の終値では1482円まで戻している。1400円~1800円近辺のボックスレンジ下限に到達して下値を確認した形であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。
国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業(データ管理などクラウドサービス提供)、広告事業(アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト」など)、ソリューション事業(ネット広告制作、アパレル・ファッションに特化したECサイト構築・運営受託、子会社ペーパーレススタジオジャパンのBIMコンサルティング事業など)を展開している。
情報資産プラットフォーム事業では「スパイラル」、アパレル特化型ECプラットフォーム「スパイラルEC」、会計クラウド「ネットde会計」「ネットde青色申告」、クラウド型グループウェア×CMS×SNS連携プラットフォーム「スパイラルプレース」に加えて、薬剤・医療材料共同購入プラットフォーム「JoyPla」、美容関連のヘアカルテ共有サービス「美歴」、地域密着型SNS「I LOVE 下北沢」、政治・選挙プラットフォーム「政治山」、BIM建築情報プラットフォーム「ArchiSymphony」などを展開し、14年3月にアズベイスを子会社化してコールセンタープラットフォームサービス「BizBase」にも事業領域を広げている。
14年3月発表の「中期経営計画2017」では、15年2月期から17年2月期を「次世代ITベンダーへと革新する3ヵ年」と位置付けて、目標数値に17年2月期売上高92億円、営業利益28億円を掲げている。
そして9月30日には純粋持株会社制への移行検討開始を発表した。経営効率の向上、組織再編の柔軟性・機動性確保、グループ全体の最適化とガバナンス機能の強化を目的として、15年5月下旬開催予定の定時株主総会での承認等が得られることを条件として、15年9月1日を目途に純粋持株会社制へ移行する方針だ。
9月30日に発表した今期(15年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比25.6%増の15億12百万円、営業利益が同37.7%増の3億05百万円、経常利益が同35.8%増の3億04百万円、純利益が同29.5%増の1億76百万円だった。
売上高、利益とも期初計画を上回り、第2四半期累計として過去最高の営業利益を達成した。情報資産プラットフォームの継続的な機能強化・改善の効果などで有効アカウント数が堅調に推移し、人件費や支払手数料の増加などを吸収した。第2四半期末の有効アカウント数(全事業合計)は1万0898件で前期末比802件増加した。
通期の連結業績見通しは前回予想(3月31日公表)を据え置いて、売上高が前期比27.1%増の32億円、営業利益が同23.9%増の7億円、経常利益が同23.7%増の7億円、純利益が同22.6%増の4億20百万円、配当予想が同3円増配の年間16円(第2四半期末7円、期末9円)としている。
主力の情報資産プラットフォーム事業で「スパイラル」新バージョンの投入も寄与して有効アカウント数が順調に増加し、全体収益を牽引する。広告事業では「スパイラルアフィリエイト」を中心に販売活動を強化し、ソリューション事業ではビッグデータ関連の大型案件獲得を目指すとしている。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.3%、営業利益が43.6%、経常利益が42.4%、純利益が41.39%である。ストック型の収益構造であることを考慮すれば概ね順調な水準だろう。国内外の経済環境が不透明として通期会社見通しを据え置いているが、上振れ余地があるだろう。情報資産プラットフォーム事業が牽引して中期的に収益拡大が期待される。
株価の動き(14年5月20日付で東証マザーズから東証1部に市場変更)を見ると、9月の戻り高値圏1700円台から第2四半期累計業績を嫌気する形で反落し、10月10日には前日比3.37%安の1433円まで調整する場面があった。ただし10月10日は終値では前日比0.07%安の1482円まで戻している。1400円~1800円近辺のボックスレンジ下限に到達して下値を確認した形だろう。
10月10日の終値1482円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円86銭で算出)は27~28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS271円44銭で算出)は5.5倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が9%強に拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1400円~1800円のボックスレンジ下限に到達した形だ。レンジ下限から反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
情報資産プラットフォーム事業のパイプドビッツ<3831>(東1)の株価は、9月の戻り高値圏1700円台から第2四半期累計(3月~8月)業績を嫌気する形で反落し、10月10日には1433円まで調整する場面があった。
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2014-10-14 09:30