建設技術研究所は地合い悪化で反落したが、収益拡大基調を評価する流れに変化なく上値試す

  建設コンサルタント大手の建設技術研究所 <9621> の株価は、10月1日の高値1942円から10月10日の1575円まで調整した。ただし全般地合い悪化の影響を受けた形であり、目先的な売りが一巡して反発のタイミングのようだ。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく上値を試す展開だろう。   総合建設コンサルタントの大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI・PPP事業、そして鉄道や物流などの分野への取り組みも強化している。13年9月には農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて子会社CTIフロンティアを立ち上げ、14年4月には太陽光発電事業に着手した。   今期(14年12月期)の連結業績見通し(7月14日に利益を増額修正)は、売上高が前期比11.2%増の405億円、営業利益が同44.8%増の22億円、経常利益が同40.3%増の23億円、純利益が同32.4%増の13億円、配当予想が前期と同額の年間18円(期末一括)としている。   震災復興関連が設計段階から施工段階に移行するとして受注高は同8.3%減の395億円の計画だが、豊富な受注残の消化や原価率改善の効果などで大幅増収増益見通しだ。   第2四半期累計(1月~6月)は豊富な受注残の消化、原価率の改善、連結子会社の利益計上などで前年同期比12.8%増収、同2.1倍営業増益、同98.2%経常増益、同86.2%最終増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が51.6%、営業利益が86.7%、経常利益が84.8%、純利益が85.6%と高水準だった。   公共工事の比率が高まる年度末(1月~3月)が当社の第1四半期(1月~3月)にあたる収益構造を考慮しても高水準であり、通期利益見通しは再増額の可能性が高いだろう。   防災・減災関連、老朽化インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、20年東京夏季五輪関連、リニア新幹線関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、アベノミクス重要戦略の「地方創生」も追い風となりそうだ。中期的に良好な事業環境を背景として収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、8月下旬に動意付いて8月29日の1870円まで上伸し、さらに1700円近辺での短期モミ合いを経て10月1日には1942円まで上伸した。足元は10月10日の1575円まで調整したが、特に個別悪材料は見当たらず、全般地合い悪化の影響を受けた形だろう。   10月10日の終値1591円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円93銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1504円86銭で算出)は1.1倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近している。目先的な売りが一巡して反発のタイミングのようだ。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は、10月1日の高値1942円から10月10日の1575円まで調整した。
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2014-10-14 09:30