ラクーンは10月14日発表の業務提携を好感してストップ高まで急騰、出直り本格化
企業間電子商取引(EC)サイト運営のラクーン <3031> (東マ)の株価は、8月28日戻り高値584円から全般地合い悪化も影響して10月14日の405円まで調整した。しかし14日の取引時間中に発表したSquare社との業務提携を好感してストップ高水準の500円まで急騰する場面があった。下値を確認して強基調に転換した可能性があり、今期(15年4月期)増収増益見通しを再評価して出直りの動きが本格化しそうだ。
アパレル・雑貨分野の企業間ECサイト「スーパーデリバリー」の運営を主力として、BtoB掛売り・請求書決済代行サービスのPaid(ペイド)事業や、売掛債権保証事業など周辺分野にも事業領域を広げている。
14年3月にサービス開始(ビジネスプラン課金開始は14年9月)したクラウド受発注ツール「COREC(コレック)」について、10月10日にはユーザー数が1000社を突破した(バイヤー622社、サプライヤー382社)と発表している。
また10月14日にはSquare(スクエア)社(米Square.Incの日本法人)との業務提携を発表した。当社の「スーパーデリバリー」および「COREC」がそれぞれ、Square社が提供するスマートフォンやタブレット端末で利用するクレジットカード決済対応のPOSレジ「Squareレジ」とデータ連携する。
なお「スーパーデリバリー」流通に係る売上高に関して、従来は出展企業と会員小売店が「スーパーデリバリー」を通じて取引した金額を売上高として計上(総額表示)し、商品仕入高も売上原価に計上していたが、今期(15年4月期)から、商品仕入高を売上高と相殺して表示する方法(純額表示)に変更する。この変更によってEC事業「スーパーデリバリー」流通に係る売上高は出展企業から徴収するシステム利用料売上となる。
従来は販管費に計上していたシステムに関する償却費、決済手数料、その他「スーパーデリバリー」運営管理費用を、システム利用料売上に対応する売上原価項目として計上する。このため従来の総額表示に比べて見掛け上の売上高は減少するが利益に変更はなく利益率が大幅に上昇する。今後は「スーパーデリバリー」における取引総額を「流通額」として別途開示する。
今期(15年4月期)の連結業績見通しは前回予想(8月18日に会計方針の変更に伴って売上高を減額修正)を据え置いて、売上高が20億円~20億50百万円(前期比3.5%増~6.1%増)、営業利益が2億75百万円~2億85百万円(同11.3%増~15.4%増)、経常利益が2億70百万円~2億80百万円(同8.9%増~12.9%増)、純利益が1億45百万円~1億55百万円(同17.9%増~26.0%増)としている。
第1四半期(5月~7月)の「スーパーデリバリー」の流通額は前年同期比4.7%増の23億06百万円、会員小売店舗数は前期末比1266店舗増加の4万1707店舗、出展企業数は同32社増加の980社、商材掲載数は同1413点減少の45万1702点だった。EC事業「スーパーデリバリー」の流通額は増加基調であり、Paid(ペイド)事業や売掛債権保証事業も順調に増加して収益化が進む。14年3月サービス開始(ビジネスプラン課金開始14年9月)した「COREC」も寄与して増収増益見込みだ。
第1四半期は前年同期比5.7%増収、同48.5%営業増益、同55.0%経常増益、同74.5%最終増益の大幅増益となり、通期見通し(レンジ上限値)に対する進捗率は売上高が23.9%、営業利益が20.0%、経常利益が20.7%、純利益が22.6%である。ストック型の収益構造であることを考慮すれば順調な水準だろう。第3四半期(11月~1月)以降に「COREC」の寄与が本格化してくることも考慮すれば上振れ余地がありそうだ。中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、第1四半期業績を好感して急伸した8月28日戻り高値584円から反落し、全般地合い悪化も影響して10月10日の415円まで調整した。10月14日も405円でスタートした。しかし取引時間中に発表したSquare社との業務提携を好感してストップ高水準の500円まで急騰する場面があった。
10月14日の終値482円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPS上限値26円52銭で算出)は18~19倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS264円17銭で算出)は1.8倍近辺である。週足チャートで見ると5月安値394円を割り込まずに急反発し、戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めている。下値を確認して強基調に転換した可能性があり、今期増収増益見通しを再評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
企業間電子商取引(EC)サイト運営のラクーン<3031>(東マ)の株価は、8月28日戻り高値584円から全般地合い悪化も影響して10月14日の405円まで調整した。
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2014-10-15 09:15