【為替本日の注目点】ドル円下げ一服、米企業決算がNY株下落に歯止めなるか

 NY市場  ドル円は比較的小動きで推移。107円台前半までは反発したものの、米長期金利の低下に買いは続かず106円台後半まで落とされ、107円台に乗せて引ける。ユーロドルは再び下落基調に。ドイツZEW景況感調査が低下していたことや、ドイツ政府が成長率を下方修正したことで、ユーロ売りが膨らんだ。ユーロドルはアジア時間の1.27台前半から1.26台半ばまで下落し、ユーロ円も135円台前半までユーロ安が進む。   株式市場はまちまち。工業株や銀行株などが上昇したが、ダウは結局小幅ながら4日続落。ナスダックは13ポイントの上昇。債券相場は続伸。世界的な株価の下落と成長の鈍化に加え、エボラ出血熱への懸念が拡大し、資金は株から債券に。10年債利回りは昨年6月以来となる2.1%台まで低下。金は続伸。原油は大幅に続落し引け値では81ドル台と、2年4ヶ月振りの安値を記録。   ドル/円 106.84~ 107.20  ユーロ/ドル 1.2641 ~ 1.2675  ユーロ/円 135.16 ~ 135.68  NYダウ -5.88 → 16,315.19ドル  GOLD +4.30   → 1,234.50ドル  WTI -3.90     → 81.84ドル  米10年国債 -0.063   → 2.197%  本日の注目イベント  中   中国 9月消費者物価指数   中   中国 9月生産者物価指数   英   9月失業率   米   ベージュブック(地区連銀経済報告)   米   10月NY連銀製造業景況指数   米   9月小売売上高   米   9月生産者物価指数   米   決算発表 → ブラックロック、BOA、アメックス   ユーロドルが再び1.27台から1.26台半ばまで下落しています。1.27台後半ではユーロの先安を見込んだユーロ売りが厚いと見られ、ユーロドルに関しては依然として「ドル高傾向」が続いているとの印象があります。ユーロ圏の「優等生」であるドイツの景気が急速に悪化してきました。昨日発表されたドイツのZEW景況感調査が「-3.6」と、市場予想を大きく下回り、さらにドイツ政府も輸出見通しの悪化を理由に、2014、2015年の同国の成長率予想を下方修正しました。ウクライナ問題で、ロシアへの経済制裁を行っていることも景気への悪影響を無視できない状況になってきました。  フランスやイタリアではGDPがマイナス成長ではないかとも言われており、ドイツの成長が鈍化すればユーロ圏全体が総崩れの状況になり、ECBとしても早急に対応を迫られます。再びドイツがユーロ圏を引っ張る状況に戻るには、ドイツが財政出動など大規模な景気刺激策を講じる必要がありますが、この点についてはメルケル首相は否定的です。ECBとしても「できることは何でもする」とは言っても、なかなか有効な手段が見い出せないというのが実情かもしれません。  ユーロドルは1.25割れ目前で反発し、1.27台後半まで戻す展開が続いていますが、これは積み上がったユーロショートの買戻しがメインで、新たにユーロロングを狙うものではないようです。ユーロドルは再び1.25を目指し、今度は1.25を割り込んでくると予想しています。  ドル円は106円台後半がやや底堅い展開になってきました。NY株次第というところはありますが、そのNY株も急激な下げも一旦止まりそうな気配です。エボラ出血熱、量的緩和終了、世界景気の下方修正などが資金を株からひとまず債券に向かわせていますが、今週から始まった企業決算が下落に歯止めをかけるのでは、との期待もあります。昨日決算発表を行ったシティー・グループは増収増益を確保し、JPモルガンも前期の赤字から黒字に転換しています。米金融機関で最大の時価総額を誇るウェルズファーゴの利益は、アナリスト予想と一致していました。  ドル円も106円台ではドル買い意欲もそこそこ観られるようですが、しばらくは107円台で推移するのではないでしょうか。108円台にすぐ戻す相場ではないものの、106円台を割り込む相場でもないとすれば、次の材料を待って再びドル高基調に戻ることは十分考えられます。引き続き、NY株の行方がドル円の方向を左右するカギを握っています。本日のレンジは106円70銭~107円70銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は比較的小動きで推移。107円台前半までは反発したものの、米長期金利の低下に買いは続かず106円台後半まで落とされ、107円台に乗せて引ける。ユーロドルは再び下落基調に。ドイツZEW景況感調査が低下していたことや、ドイツ政府が成長率を下方修正したことで、ユーロ売りが膨らんだ。ユーロドルはアジア時間の1.27台前半から1.26台半ばまで下落し、ユーロ円も135円台前半までユーロ安が進む。 
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2014-10-15 09:30