中国の鋼材が「投げ売り」状態 マクロ経済の低迷が一因=中国メディア

 中国で鋼材の価格が過去11年で最低の水準にまで落ち込んでいることについて、中国メディアの人民日報は13日、「なぜ中国で鋼材は“投げ売り”価格で売られているのか」と論じる記事を掲載した。  記事は、2014年1-8月の中国の固定資産投資が前年同期比3.8%減となり、不動産の新規着工面積も10.5%減になったと紹介、中国のマクロ経済が低迷するなかで鋼材への需要そのものが低迷していることが価格低迷の大きな理由の1つと論じた。  一方、需要が低迷しながらも、生産量が前年同期比2.7%増となるなど供給は今なお増えていることを指摘したうえで、1-7月における中国の粗鋼生産量は4億8100万トンに達し、世界の生産量の50.1%を占めたと紹介。需要低迷に追い打ちをかけるように供給も過剰であるとの見方を示した。  続けて、需給のバランスを失ったことで鋼材価格が低迷し、鋼材メーカーの業績も低迷していると紹介、売上高総利益率はわずか0.54%にとどまり、鉄鋼業は工業全体のなかで最低の数字を記録したと指摘した。  また記事は、「いつになったら中国の鋼材価格は値上がりするのだろうか」と疑問を呈したうえで、中国鋼鉄工業協会の屈秀麗副秘書長の発言を引用し、「政府が鉄道などのインフラ建設を進めていることから価格は徐々に上昇する」と伝えた。一方で、冶金工業規則研究院の李新創院長の発言として「生産能力の過剰は短期的に解決できず、大幅な上昇は見込めない」と伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国で鋼材の価格が過去11年で最低の水準にまで落ち込んでいることについて、中国メディアの人民日報は13日、「なぜ中国で鋼材は“投げ売り”価格で売られているのか」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-10-15 09:30