クレスコが9月高値から一旦反落したが自律調整の範囲、上値追い

  受託ソフトウェア開発のクレスコ <4674> の株価は、高値更新の展開が続き9月30日の1440円まで上値を伸ばした。その後は全般地合い悪化が影響して10月14日の1310円まで一旦反落したが、10月15日には1388円まで切り返す場面があった。自律調整の範囲で下値は限定的のようだ。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。なお11月7日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。   ビジネス系のソフトウェア開発事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売など)も展開している。重点施策としては品質マネジメント力の向上、新ビジネスモデルの創出、グループ連携強化による収益性改善、ニアショア・オフショア化(地方分散開発体制強化と海外開発体制整備)の推進などを掲げ、特にクラウド関連ソリューションやオリジナル製品(インテリジェントフォルダ、クレアージュなど)の拡販、組込型ソフトウェア開発事業の再構築などを推進している。   得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンス・M&A戦略も積極活用し、13年4月にソリューション事業のクリエイティブジャパンを完全子会社化、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化した。13年9月には三谷産業 <8285> とクラウドサービス事業で協業体制を構築した。   14年3月には法人向け電子マニュアル/電子カタログサービス分野でゴマブックスと戦略的提携して企業内文書デジタルサービス「Creage for Digital Publishing」の提供を開始し、14年8月には高速クラウド構築支援サービスでSkeedと戦略的技術提携してソリューションメニューの充実を推進している。   14年6月にはSAP基幹業務をモバイル化して業務効率を向上させる新ソリューション「Mobick(モビック)」の販売を開始した。マルチデバイス対応で、専用ハンディターミナルシステムから汎用タブレットを利用したモバイルシステムへの変更、外出先からの営業日報作成やワークフロー承認が可能になるなど、業務効率を格段に向上させるソリューションとして拡販する方針だ。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.5%増の239億円、営業利益が同15.4%増の16億50百万円、経常利益が同7.3%増の18億円、そして純利益が同14.7%増の10億80百万円としている。   配当予想については9月16日に増額修正を発表し、前回予想(5月7日公表)に対して4円増額の年間34円(第2四半期末17円、期末17円)とした。前期との比較でも4円増配となる。特別損益を零とした場合に算出される当期純利益の40%相当額の配当を継続的に実現することを目指している。   今期は主力のソフトウェア開発事業で金融分野や公共サービス分野の好調が牽引する。基幹系システムや情報系システムの受注が増加し、日立グループ向けが主力の子会社クリエイティブジャパンの寄与、新ソリューション「Mobick」の拡販も期待される。組込型ソフトウェア開発事業はカーエレクトロニクス分野の好調などで営業損益が改善する見通しだ。   第1四半期(4月~6月)は前年同期比14.7%増収、72.5%営業増益、53.9%経常増益、95.3%最終増益で、受注高は同12.5%増と好調だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が24.3%、営業利益が23.0%、経常利益が24.6%、純利益が33.1%と順調な水準であり、第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造を考慮すれば通期上振れの可能性があるだろう。   国内のIT投資需要は、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合・再構築、ビジネスプロセスの可視化・最適化、ビッグデータの分析と活用、仮想化技術の導入、ソーシャル・テクノロジーのビジネス活用などを背景として高水準に推移すると予想される。中期的にも収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、高値更新の展開が続き9月30日には1440円まで上値を伸ばした。その後は全般地合い悪化が影響して10月14日の1310円まで一旦反落したが、10月15日には1388円まで切り返す場面があった。自律調整の範囲で下値は限定的のようだ。   10月15日の終値1345円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS102円94銭で算出)は13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS849円71銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線に接近して切り返しの動きを強めている。収益拡大基調を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は、高値更新の展開が続き9月30日の1440円まで上値を伸ばした。
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2014-10-16 09:15