アールテック・ウエノは高値圏で堅調推移、特許侵害訴訟に関する和解も好感、1月の年初来高値を試す

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)の株価は、9月29日に1649円まで上伸して1月の年初来高値1655円に接近し、地合いが悪化する状況下でも高値圏1500円~1600円近辺で堅調に推移している。10月10日発表のAMITIZAカプセル特許侵害訴訟に関する和解・ライセンス契約締結も、収益悪化リスク後退と好感されたようだ。1月の年初来高値を試す展開だろう。   緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。   新薬開発は網膜色素変性、ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。日本発・世界初の網膜色素変性治療薬を目指す開発コードUF-021(一般名ウノプロストン)については日本で第3相臨床試験を実施し、14年7月にはウノプロストンの網膜色素変性を対象とするオーファンドラッグ指定について厚生労働省に申請した。また14年8月にはウノプロストン点眼液へのトロメタモール配合に関する日本特許が成立した。   日本発・世界初の生物製剤によるドライアイ治療薬を目指す遺伝子組み換え人血清アルブミン(RU-101)点眼液については、米国で第1相および第2相を合わせた臨床試験を開始している。皮膚疾患領域では男性型脱毛症関連(RK-023)が第2相臨床試験を開始し、中期テーマとしてアトピー性皮膚炎治療薬(RTU-1096)などの開発も進めている。   なお10月10日に、AMITIZAカプセルの米国内で係属していた特許侵害訴訟に関して、和解・ライセンス契約を締結したと発表している。和解契約の主な内容は、当社および米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの特定の適応症についての後発医薬品(許諾製品)をPar社が米国内で販売することを、21年1月1日を開始日として非独占的に許諾し、21年1月1日よりPar社は契約期間中の許諾製品の粗利益を、米スキャンポ社の各特許が失効するまでの期間において米スキャンポ社と分割する。Par社がオーソライズドジェネリックを販売することを選択した場合は、製造供給契約に従って米スキャンポ社は、Par社に同製品を別途協議して決められる価格で供給するとしている。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が前期比2.6%増の57億63百万円、営業利益が同0.8%増の14億31百万円、経常利益が同2.9%減の14億34百万円、純利益が同5.5%減の10億03百万円、配当予想が前期と同額の年間25円(期末一括)としている。10月10日発表の和解・ライセンス契約締結による業績予想の修正はないとしている。   売上面で見ると、レスキュラ点眼薬は日本市場が数量減少や薬価改定の影響で減収、北米市場は再上市に係るSAG社からの受注分の出荷が完了しているため今期業績見通しに織り込んでいないとしている。AMITIZAカプセルは北米市場で競合品の影響を受けるが、日本市場が引き続き好調に推移する見通しだ。利益面では研究開発費の増加などが影響して、営業利益は微増にとどまる見通しとしている。   第1四半期(4月~6月)は前年同期比24.5%減収、同69.7%営業減益、同72.9%経常減益、同67.5%最終減益だったが、北米市場でAMITIZAカプセルの納品の一部が第2四半期(7月~9月)となったことを考慮すれば概ね計画水準としている。通期ベースでは挽回が期待されるだろう。   株価の動きを見ると、9月29日に1649円まで上伸して1月の年初来高値1655円に接近した。その後も地合いが悪化する状況下で高値圏1500円~1600円近辺で堅調に推移している。10月10日発表のAMITIZAカプセル特許侵害訴訟に関する和解・ライセンス契約締結も、収益悪化リスク後退と好感されたようだ。   10月15日の終値1583円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS52円01銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績BPS473円61銭で算出)は3.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調の形であり1月の年初来高値1655円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の株価は、9月29日に1649円まで上伸して1月の年初来高値1655円に接近し、地合いが悪化する状況下でも高値圏1500円~1600円近辺で堅調に推移している。
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2014-10-16 09:15