リンテックは地合い悪化も影響して調整したが、好業績見通しを評価して反発のタイミング

  粘着製品大手のリンテック <7966> の株価は、9月19日の高値2399円から利益確定売りで反落し、10月14日に2116円、10月16日に2122円まで調整した。足元の地合い悪化も影響したようだ。ただし2100円台では下げ渋り感を強めている。今期(15年3月期)好業績見通しを評価して反発のタイミングだろう。なお11月10日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。   高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。   14年3月に発表した新中期経営計画「LIP-2016」では、重点テーマをグローバル展開のさらなる推進、次世代を担う革新的新製品の創出、強靭な企業体質への変革、戦略的M&Aの推進、人財の育成とした。目標数値として17年3月期売上高2400億円、営業利益200億円、経常利益200億円、純利益130億円、売上高営業利益率8%以上、ROE8%以上を掲げ、セグメント別には印刷材・産業工材関連が売上高1025億円、営業利益57億円、電子・光学関連が売上高943億円、営業利益88億円、洋紙・加工材関連が売上高432億円、営業利益55億円としている。   新製品関連では米国テキサス州に研究開発拠点NSTCを設立した。米テキサス大学ダラス校と共同開発したカーボンナノチューブ(CNT)を薄いシート状に加工する新技術の16年度中の実用化を目指している。従来手法に比べて100分の1から1万分の1という極めて薄いCNTシートを生成することが可能であり、電気自動車用蓄電装置の電極材料などへの活用が期待されている。   今期(15年3月期)連結業績見通しは前回予想(5月8日公表)を据え置いて売上高が前期比3.3%増の2100億円、営業利益が同16.2%増の160億円、経常利益が同17.7%増の155億円、純利益が同23.5%増の105億円、配当予想が同2円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。自動車関連やスマートフォン関連の好調が牽引し、プロダクトミックス改善やコスト削減なども寄与する。想定為替レートは1米ドル=98円としている。   セグメント別には、印刷材・産業工材関連は自動車関連粘着製品が好調で売上高が同5.6%増の911億円、営業利益が同70.3%増の39億円、電子・光学関連は半導体関連や積層セラミックコンデンサー関連が好調で売上高が同0.5%増の795億円、営業利益が同5.2%増の72億円、洋紙・加工材関連は航空機向け炭素繊維複合材料用工程紙が好調で売上高が同4.1%増の394億円、営業利益が同5.5%増の49億円の見通しとしている。   第1四半期(4月~6月)は前年同期比5.2%増収、同32.4%営業増益、同16.6%経常増益、同17.7%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が23.5%、営業利益が24.9%、経常利益が25.9%、純利益が26.6%と順調な水準だった。為替の円安も寄与して通期上振れの可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、9月19日の高値2399円から利益確定売りで反落し、10月14日に2116円、10月16日に2122円まで調整した。足元の地合い悪化も影響したようだ。ただし2100円台では下げ渋り感を強めている。   10月16日の終値2128円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS145円57銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2100円87銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近して下げ渋り感を強めている。売られ過ぎ感も強めており、好業績見通しを評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は、9月19日の高値2399円から利益確定売りで反落し、10月14日に2116円、10月16日に2122円まで調整した。
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2014-10-17 07:15