ユーグレナは戻り一服だが反発のタイミング近い、食品分野の事業展開加速に評価余地

  ユーグレナ <2931> (東マ)の株価は戻り一服の動きだが、食品分野の事業展開加速や中期成長力に評価余地があり、反発のタイミングが接近している。   59種類の豊富な栄養素を有する微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)の食品用途屋外大量培養をコア技術として、バイオ燃料など関連分野への研究開発も進めている。13年3月にユーグレナの粉末受託生産と微細藻類クロレラの食品向け生産を手掛ける八重山殖産、13年11月にバイオベンチャーの植物ハイテック研究所を子会社化した。13年12月には独立行政法人理化学研究所の環境資源科学研究センターとユーグレナの利活用に関する研究で連携・協力に関する協定を締結した。   ユーグレナを活用した機能性食品や化粧品を製造販売するヘルスケア事業(OEM供給、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販など)で安定的なキャッシュフローを創出しながら、エネルギー・環境事業(ユーグレナを活用したバイオ燃料開発など)への投資を進めている。ユーグレナを活用した多角的な事業展開で「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」が基本戦略だ。   13年11月発表の中期経営計画では、18年までにユーグレナの食品国内市場300億円規模、国内ヘルスケア事業の売上高150億円、営業利益30億円以上を目指している。海外も戦略的パートナーとの連携強化で18年までに市場規模300億円を目指す。中国では「新食品原料」登録を取得して全土での販売が可能になったため伊藤忠商事 <8001> と連携して販売する。エネルギー・環境事業のバイオジェット燃料生産に関しては、18年の低コスト生産技術確立と20年の実用化を目指している。   中期計画に基づいて食品分野の事業展開を加速させている。13年12月にはユーグレナを活用したペット用食品(ドッグフード)分野に参入した。また1月10日には自社ブランドでの化粧品事業を開始すると発表した。ユーグレナから抽出したエキスに優れたエイジングケア効果が解明されており、このエキスを活用したスキンケアシリーズ「B.C.A.D.(ビー・シー・エー・ディー)」を3月からテレビ通販、百貨店、美容室、エステサロン、専用WEBサイトなどを通じて発売する。   今期(14年9月期)連結業績見通しは売上高が前期比48.8%増の31億13百万円、営業利益が同横ばいの1億76百万円、経常利益が同9.0%減の2億40百万円、純利益は負ののれん発生益が一巡して同70.1%減の1億44百万円としている。今期は売上総利益増加分を中期成長に向けた先行投資として、広告宣伝費や研究開発費に充当する方針のため営業利益は横ばい見込みだが、収益性の高い自社サイト直販が大幅増収基調である。   自社ECサイトの購入者数(定期購入者数と一般購入者数の合計)は12年9月単月の1746人から13年9月単月で9362人、そして13年10月単月では広告宣伝の集中投下も寄与して1万4307人に急増している。ストック型安定収益源としての基盤強化が着実に進展していると言えるだろう。   株価の動きを見ると、12月3日に中国での「新食品原料」登録取得を好感して1673円まで上伸する場面があったが、反落して戻り一服の展開だ。ただし12月下旬の1300円近辺から反発して調整一巡感も強めている。1月10日の終値は1370円だった。週足チャートで見ると26週移動平均線を挟んでモミ合う展開だが、下値は52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ユーグレナ<2931>(東マ)の株価は戻り一服の動きだが、食品分野の事業展開加速や中期成長力に評価余地があり、反発のタイミングが接近している。
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2014-01-14 09:15