【為替本日の注目点】NY株反発でドル買い優勢、日本株の動き注目
NY市場
ドル円は経済指標の好転を材料に、NY株式市場が大きく反発したことから、ドル買いが優勢に。ドル円は106円94銭まで上昇し、この日の高値圏で引ける。ドルが買い戻された流れからユーロも反落。1.28台前半から1.2774まで売られる。
株式市場は大幅に反発。新築住宅販売件数や、ミシガン大学消費者マインド指数が予想を上回ったことから、前日まで大きく売られた銘柄が反発。ダウは263ドル上昇し。1万6300ドル台に。債券相場は続落。経済指標の好転を手がかりに、利益確定の売りに押され、長期金利は2.19%台まで上昇。金は続落し、原油は小幅ながら続伸。
9月住宅着工件数 → 101.7万件
9月建設許可件数 → 101.8万件
10月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 86.4
ドル/円 106.35~ 106.94
ユーロ/ドル 1.2774 ~ 1.2836
ユーロ/円 136.07 ~ 136.70
NYダウ +263.17 → 16,380.41ドル
GOLD -2.20 → 1,239.60ドル
WTI +0.05 → 82.75ドル
米10年国債 +0.039 → 2.190%
本日の注目イベント
日 日銀支店長会議
独 独9月生産者物価指数
NY株式市場が急反発したことで、ドル円も下げ止まり、今朝は107円台を回復しています。9月の新築住宅着工件数が市場予想を上回り、さらにミシガン大学消費者信頼感指数も予想以上の内容でした。先週のNY株式市場は、小売売上高が急激に悪化していたことを受け、「米国景気も鈍化か」といった見方が急速に高まり、株安とドル安が大きく進行しました。しかしその後に発表された鉱工業生産や、上記経済指標の結果を見る限り、小売売上高は一時的な落ち込みだった可能性が高く、米景気は依然として拡大していることが確認されたのではないでしょうか。
米国では企業決算の発表が真っ盛りですが、ここでもこれまでの発表を見る限り悪くはありません。エボラ熱、量的緩和の終了、欧州景気の先行き不安、あるいは地政学的リスクなどが絡まって、株式市場が不安定になり、売りが売りを呼ぶ展開になったと思われます。もちろん、エボラ熱などは今後も不安定要因ですが、米株式市場が落ち着きを取り戻せば、ドル円も再び上昇トレンドを維持して行くものと予想しています。
今回の一連の株安とドル安を経て、先週末のイエレン議長の講演が注目されていました。これまでの発言に、さらに利上げの先送りを示唆する発言があるかどかという点が焦点でしたが、議長は米国での富と所得の格差が拡大していることを「非常に懸念している」と発言したに留まり、特に金融政策に関する言及はありませんでした。
ただ先週は、地区連銀総裁の講演も多く、「ハト派」の総裁の中にはボストン連銀総裁のように「景気が悪化した場合には量的緩和第4弾(QE4)を検討すべきだ」といった発言もみられました。一方「タカ派」であるフィッシャー・ダラス連銀総裁のように「新たな量的緩和について議論するのはあまりに時期尚早だ。市場が実際にその仕事をしている」といった意見もあり、今月で量的緩和が終了すると見込まれている状況に変化はないと思われます。
本日は日銀支店長会議が開催され、黒田総裁の挨拶があります。また午後には10月の地域経済報告(さくらリポート)が公表されます。政府は景気見通しを下方修整する見込みですが、消費税増税の影響を受けて、各地区からどのような報告がされるのかも注目されます。
引き続きNY株価の行方が重要なカギを握っていますが、今日の日本株の動きも注目されます。今回の米国発の株安は、実はよく見ると日本株の方が下落率が大きいことがわかります。リーマンショク後の株安局面でもそうでしたが、火元よりも対岸の日本の方がより大きな影響を受けています。その日本株がどこまで反発するかも、ドル円に影響を与えます。予想レンジは106円70銭~107円50銭程度を見ていますが、日本株が大きく反発し、その影響から今夜のNY株も大幅に続伸する「好循環」が続くと、もう少しドルの上値を試すことになるかもしれません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は経済指標の好転を材料に、NY株式市場が大きく反発したことから、ドル買いが優勢に。ドル円は106円94銭まで上昇し、この日の高値圏で引ける。ドルが買い戻された流れからユーロも反落。1.28台前半から1.2774まで売られる。
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2014-10-20 09:15