京写は調整一巡して切り返しのタイミング、今期業績見通し再増額の可能性に注目

  プリント配線板大手の京写 <6837> (JQS)の株価は、急伸した9月1日の高値465円から利益確定売りで反落し、10月16日には377円まで調整した。全般地合い悪化が影響したようだが、今期(15年3月期)業績見通し再増額の可能性が注目され、短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。低PERも支援材料だ。   生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。前期(14年3月期)の製品用途別売上構成比は家電製品が32%、自動車関連が27%、事務器が15%、映像関連が8%、アミューズメントが7%、その他が11%である。LED照明関連の需要拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連に注力し、幅広い用途と顧客を獲得している。   中期経営計画では目標数値として、16年3月期売上高200億円(片面プリント配線板100億円、両面プリント配線板85億円、実装関連事業15億円)、営業利益率6%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)6%以上を掲げている。   重点戦略としては、LED照明関連など環境対応製品の強化、片面プリント配線板分野における圧倒的トップシェアの獲得、海外生産の拡大、技術革新やコスト対応による収益力向上、基板・実装関連に次ぐ第3の事業の確立に取り組んでいる。LED照明関連については直管型LED照明の増加に加えて、自動車ヘッドライトのLED化進展も追い風となる見込みだ。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては7月31日、第2四半期累計(4月~9月)の売上高と利益見通し、および通期の利益見通しを増額修正した。プリント配線板の需要が想定以上に好調であり、利益面では生産自動化進展や集中購買による原材料調達コスト低減などの効果も寄与する。   第2四半期累計の連結業績見通しは売上高が前年同期比6.5%増の84億円、営業利益が同38.0%増の4億50百万円、経常利益が同21.2%増の4億40百万円、純利益が同16.2%増の3億30百万円とした。   通期の連結業績見通しについては、売上高は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期比5.4%増の170億円だが、営業利益は30百万円増額して同12.7%増の9億円、経常利益は40百万円増額して同11.8%増の8億80百万円、純利益は30百万円増額して同25.1%増の6億50百万円とした。配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   クリスマス商戦に向けて第2四半期(7月~9月)および第3四半期(10月~12月)の生産が増加する季節要因なども考慮すると、修正後の通期会社見通しは依然として保守的であり再増額の可能性があるだろう。   なお10月1日にキクデンインターナショナル(神奈川県横浜市)から実装治具事業を譲り受けたと発表した。今回の事業譲受によって実装治具事業全体の生産能力および販売を強化する方針だ。今期業績に与える影響は軽微としている。   主力の片面プリント配線板の需要は国内外のLED照明関連や自動車関連を中心として増加基調だ。LED照明関連の需要が両面プリント配線板から当社が高シェアを持つ片面プリント配線板へシフトしていることもプラス要因であり、実装治具事業の強化も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、急伸した9月1日の高値465円から利益確定売りで反落し、10月16日には377円まで調整した。ただし個別の悪材料は見当たらず、足元では全般地合い悪化が影響したようだ。好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。   10月17日の終値387円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円35銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS338円63銭で算出)は1.1倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近している。今期業績見通し再増額の可能性が注目され、短期調整が一巡して切り返しのタイミングだろう。低PERも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
プリント配線板大手の京写<6837>(JQS)の株価は、急伸した9月1日の高値465円から利益確定売りで反落し、10月16日には377円まで調整した。
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2014-10-20 11:00